地域で頑張る企業を取り上げる「輝く!ニッポンのキラ星」。
今回は北海道からです。日本酒離れで酒蔵が続々と姿を消すなかでコロナの逆風にも負けずに新しい酒蔵の売り上げが好調のようです。
上川大雪酒造株式会社
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北海道の中部に位置する上川町。
大雪山連峰を源とする石狩川の清流に恵まれた自然豊かな地域です。
この町に日本酒好きが注目するあるお酒があります。
売れてい日本酒が神川。
それがこの神川という日本酒。
米の甘みが感じられる酒。
「一般的な酒は月にどれくらい売れる?」
ホテル大雪 売店の鈴木翔太店長、
10本なら売れた方かなと、神川は月に100本売れる。
上川町と愛別町の一部の店舗でしか販売していない。
地元のコンビニや酒屋でしか買えない地元限定の日本酒なのです。
月に1,000本売り上げるコンビニもあるといいます。
地元のホテルでも注文が相次ぎます。
飲みやすい。
帰りに買っていく。
経営に苦しむ酒蔵が多い中で地元限定の商品とオンラインの2本柱で売上を伸ばしているのが上川大雪酒造です。
従業員60人、売り上げは3億円に上ります。
上川大雪酒造の塚原敏夫代表、
街の活性化のために地酒があったら地域振興として大きなプロジェクトになるだろうと思い創業した。
そう語るのは代表の塚原さん。
酒造業者が年々減っていく中、三重県で休業中だった酒造会社を2016年に買い取るとこの上川町に来て酒蔵を新たに造り創業しました。
なぜそこまで上川町にこだわったのでしょうか?
大雪山の最も上流にある町で大自然の源流を使える。
とても冷たい水が出る。
そういう水で作る酒はこの環境じゃないとできない。
仕込みに重要な水は大雪山の湧水が源流。ミネラルをバランスよく含んだ超軟水はしなやかな口当たりを生み出します。
米は全て北海道産で3種類の米を酒の種類により使い分けます。
生産者の作る米の魅力を最大限に引き出すために小さなタンクを使い手作りで仕込んでいく。
通常だと10倍くらい大きいタンクを使っているところもある。
酒造内の8つの仕込みタンク、2,000リットルほどの小ささだからこそ米や醸造方法の数だけバリエーションを増やすことができるのです。
流通やコストよりも酒造りの環境を優先した手作り、少量仕込みの純米酒です。
2019年には北海道のコンテストで金賞を受賞。
JALの国内線ファーストクラスで提供される酒に採用されています。
さらに上川町と大雪山を隔てた南側にある十勝地区。
帯広の大学の中に上川大雪酒造の文字が。一体はこれは…
上川大雪酒造の川端慎治副社長・総杜氏、
帯広畜産大学の中に新しく上川大雪酒造の蔵ができた。
研究と結び付けた打ち合わせをしている。製品や品質向上に役立っていく。
去年5月、全国で初めて大学に日本酒の醸造所を建設。酒造り20年以上の経験を持つ総杜の川端さんが客員教授として日本酒造りの指導をするため現在準備中です。
帯広畜産大学の生命・食糧科学研究部門の菅原雅之准教授、
新たな日本酒の醸造産業を担う学生を育てていきたい。
十勝という土地に40年酒蔵がなかった。
2ヵ月前に販売を開始した十勝限定の日本酒の売り上げも好調です。
酒蔵がなかった所に酒蔵を造って町が変わっていく。
地域振興になるような取り組み、酒造を通してできることを考えていく。