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[WBS]韓国 コロナ禍の救世主!?K-POPに世界から続々!

2021年1月25日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

新型コロナの影響を受けつつも去年、2020年の成長率見通しでマイナス1.1%と踏みとどまりそうなのが韓国です。

そして年明け、文在寅大統領は国民に向けた演説で経済成長の柱として「K-POP」を代表とするコンテンツを掲げました。その理由はコロナ禍でも世界から資金が集まっているためです。

一体なぜなのでしょうか?

K-POP

韓国の文在寅大統領、

BTSやブラックピンク、映画「パラサイト」などのK-コンテンツが世界の人々を魅了している。

韓国政府はそうしたアーティストの活動を支援していく。

BTSのオンライン大晦日コンサート。新型コロナで世界ツアーが中止となる中、成功を収めています。

去年10月の公演では世界191の国と地域から100万人近くが視聴。2日間で45億円以上を売り上げました。

去年のアカデミー賞で作品賞を受賞した映画「パラサイト」など韓国のコンテンツ関連輸出額は年間1兆円を超えます。

コロナ禍でも勢いは衰えていません。その象徴は…

ソウル支局の横堀拓也記者、

こちらは地下鉄の駅構内ですが最近増えているのがこうしたK-POPアーティストの広告です。

新型コロナの影響で店舗が軒並みシャッターを下ろしている中、壁のK-POPアーティストのの広告は大盛況。その多くは新曲やイベントの宣伝のためというわけではなく、ただただアーティストの誕生日を祝う広告です。

実はこうした広告、レコード会社や所属事務所が出しているわけではありません。

地下鉄の担当者、

ファンが広告を出している。韓国だけでなく日本や中国、東南アジアなどさまざまな国のファンが広告を発注している。

こちらの広告の場合、費用は1ヵ月20万円から50万円ほど。その費用を世界のファンが出し合って発注しているといいます。

大阪府に住むこちらの女性も誕生日広告に参加したBTSファンの1人です。

BTSからメッセージや素敵な曲など癒やしをもらうが。

私たちの気持ちを伝えようと思った。

かつては企業広告がほとんどを占めていましたが地下鉄のファン広告はコロナ禍の去年、以前の30倍を超える2,300件にまで急増。地下鉄の広告収入を支えています。

それはコロナで苦しむ様々な業界に。

BTS、Vさんの誕生日に合わせて年末年始にソウル市内を走ったのはファンが出資したラッピングバス。観光需要が激減するバス会社の新たな収入源になっています。

苦境の飲食業界も…こちらでは入店待ちの行列ができていました。

BTSメンバーの誕生日には毎回イベントをするカフェ巡りをしている。

カフェで行われていたのはファンが企画した誕生日イベント。

お目当てはオリジナルのカップホルダーやポストカードなどの特典グッズです。カフェがファンに場所を提供しているのです。

使われている写真はファンが撮影したものですが、PRになると事務所側も使用を黙認しているケースも多いといいます。

林裕吉さん、

イベント期間、売り上げが5倍以上に上がった。

既存の客層ではなく新しい客層が訪れてくれてすごくうれしい。

こうした広がりが韓国の広告市場拡大のチャンスに。

こちらの広告会社は中国語で対応できる社員を雇い、広告依頼の多い中国とファンと直接やり取りできる体制を整えました。

広告会社の金賢俊さん、

企業は広告費用を削減したいのが事実だがファン広告は問い合わせが途切れず、新型コロナの影響も極めて少ない。

ファンの要望で広告の予算規模も拡大しているといいます。

こちらは飛行機のラッピング広告。中国のファンが3ヵ月広告を出した。

機体のラッピングのみならず機内も全てアーティスト仕様に変更。

乗客が受け取るチケットにも広告を入れることができます。

さらにこちらは南部の釜山。市内のランドマークになっている橋を使い、BTSメンバーを応援するライトアップも。

世界各国を含めたこの会社へのイベント関連の相談件数は去年2,000件以上と倍増しました。

広告産業はK-POP成長前と後に分かれると言っても過言ではない。

熱心なファンによる経済活動は無視できないものとなり、業界もむしろそれを利用してより多様な広告を取り組んでいる。

コロナ禍で企業などに代わりファンの熱意が韓国経済の新たな原動力になりつつあります。

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