秋は読書の季節です。
今回の白熱ランキングは絵本がテーマです。
不況に苦しむ出版業界。
そんな中、快調なのが絵本です。

読むのは子どもだけどレジに持っていくのは大人。

キーワードは大人も楽しめる!?

絵本のランキングから見えてきたヒットの秘訣とは?
株式会社丸善ジュンク堂書店
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いま出版不況の中でも売れている本があります。

それが絵本です。

ジュンク堂書店池袋本店の児童書担当、杉山有華さん、
今までとは少し違う絵本が近年出てきた印象。

電子書籍の登場などで紙の書籍の売り上げは年々低下していますが、絵本だけは横ばい以上を維持しているのです。

読むのは子どもだけど買うのは大人。

いつもちょっぴりもれちゃうから、いつもおかあさんにおこられる。

進化し続ける絵本。

出版不況を吹き飛ばす衝撃のランキングとは?

7位~10位
まずは7位から10位まで。
7位 | サンクチュアリ出版 | 作 ビル・コッター | ぜったいに おしちゃダメ? | |
8位 | ブロンズ新社 | 作 かがくいひろし | 「だるまさん」シリーズ 3冊ケース入り | |
9位 | 学研 | 絵 かきもと こうぞう 文 はせがわさとみ | どうぶつだあれかな | |
10位 | 講談社 | 作・絵 佐野洋子 | 100万回生きたねこ |

100万回生きたねこ
10位は主人公の猫が生と死を繰り返す名作「100万回生きたねこ」がランクイン。
ぜったいに おしちゃダメ?
番組が注目したのは7位の「ぜったいに おしちゃダメ?」。
目を引くのは赤いボタンが付いたスイッチ。

しかし、この本にはこんなルールが…
このボタンをおしちゃダメ。
このボタンのことをかんがえてもダメ。

それでもページをめくるたびに出てくるスイッチを子どもたちは押さずに耐えることができるのか?

もしも押してしまったら、その先に待つものは…

4位~6位
ランキングに戻って4位から6位まで。
4位 | ディスカヴァー・トゥエンティワン | 絵 市原 淳 監修 開 一夫 | もいもい | |
5位 | 福音館書店 | 作 五味太郎 | きんぎょがにげた | |
6位 | ブロンズ新社 | 作 かがくいひろし | だるまさんが |

だるまさんが
ここでは6位の作品に注目です。
ブロンズ新社の「だるまさんが」。

こちらを含む3冊セットも8位にランクインしていた実力派。

実は出版から10周年を迎えたロングセラー作品なんです。

絵本の中は…
だるまさんがびろーん。

「みんな!だるまさんのこと好き?」

はーい!

一体なにが子どもの心を捉えるのか?
相内優香お姉さんが「だるまさんが」の読み聞かせに挑戦。
だるまさんが

びろーん

ブロンズ新社の沖本敦子さん、
内容がシンプルなのでだるまさんが伸びたり、おならをする。

子どもが覚えてジェスチャーすると親がそれを見て喜んで。

喜ぶ親を見て子どもがうれしくなって笑いの連鎖が生まれやすい絵本。

1位~3位
いよいよ残るは上位3作品。
しかし、これがまさかの展開に…

1位 | アリス館 | 作 ヨシタケシンスケ 相談 伊藤亜紗 | みえるとか みえないとか | |
2位 | PHP研究所 | 作 ヨシタケシンスケ | おしっこちょっぴりもれたろう | |
3位 | ポプラ社 | 作 ヨシタケシンスケ | あるかしら書店 |

この3冊の作者に注目していただきたい。
1位の「みえるとか みえないとか」から3位の作品までなんと全て同じ人物なのです。
ヨシタケシンスケ氏
PHP研究所の児童書局出版部、阿部聡子編集長は、
出す絵本、出す絵本が売れる作家。売れてないものがないのではないか。

作家のヨシタケシンスケさんは絵本業界のヒットメーカー。

それだけに上位3社の出版社はバラバラ。

ブームがきてるので、いま一番引っ張りだこ。

おしっこちょっぴりもれたろう
そんな人気作家の作品には気になるタイトルが…
「おしっこちょっぴりもれたろう」。

さらに男の子の目線の先にはすごく気になる…

物語の主人公はいつもおしっこでパンツを濡らしてしまう男の子「もれたろう」です。。

ぼくはしってる。これしばらくするとかわくんだ。

そしておしっこが乾くまでの間、外出をするもれたろう。

途中、同じ悩みを持つ仲間がいるはずと次々と子どもたちに声を掛けますが…

ふくについているコレがチクチクしてきもちわるいの。

なかなか、おしっこの漏れた子に出会えません。

果たしてもれたろうは仲間を見つけられるのか?
そして大人もビックリの意外な結末は呼んでからのお楽しみ。

ヨシタケシンスケ氏
この絵本の作者、ヨシタケシンスケさん。

もともとイラストレーターで5年前から絵本作家として活動を始めました。

「『おしっこちょっぴりもれたろう』ができた経緯は?」
息子がこうだった。

トイレから帰り、パンツをはいた瞬間にジュワーッとシミができる息子の様子とそれを見てため息をつく母という構図を見て、どちらの気持ちもわかるな~と思って。

どちらの気持ちもすくい上げる本っておもしろいんじゃないかと思った。

そんなヨシタケさん、取材中も存在が気になったという立て看板のイラストを手帳に描いていました。

描いとかないと忘れてしまうくらいどうでもいいことに気づいた時に描いておく。

この中からできた絵本もいくつかある。

誰もが思い当たるような日常の些細な出来事を通して、子どもだけでなく大人も共感できる作品に仕上げるのがヨシタケ流なんです。

絵本は基本的に読むのは子ども、レジに持っていくのは大人。

大人でも漏れている人もいるだろうし、パンツの中に秘密が隠れているのは皆そう。

出版業界に活力を与えるのはこうした大人も楽しめる絵本なのかもしれない。
