韓国では食後にコーヒーなどを飲む時間を大切にしています。
そうした需要を狙って人気になっている店舗があります。
ジューシー(JUICY FRESH JUICE BAR)
韓国のソウルのオフィス街。
昼下がりに必ず行列になるお店が「ジューシー」です。
700円のランチの後に500円のコーヒーやジュースを飲むのが一般的な韓国。
ジューシーの行列はある異変を表しています。
お客様は
長い時には20分くらい待つ。おいしいから。
12時半を過ぎると結構並ぶ。週に3回くらい来る。
一般的にせっかちと呼ばれる韓国人が並ぶ果物シュース専門店ジューシー。
お昼には約30人の行列ができます。
ジューシーが提供するのはその場で果物から搾り取って作る「生ジュース」。
夏場でなくても安定した人気を誇っています。
ジュースはフレッシュだし、普段食べない果物がとれる。
お客様の回転率が高そう。新鮮な果物を使っていると思う。
韓国ではランチ後に500円程度の珈琲を飲む人が多いです。
その中、ジューシーの生ジュースの価格は約150円。
リーズナブルな価格と韓国人の気質とも言える健康志向が人気に拍車を掛けています。
人気ジュースの秘密
ジューシーの人気の秘密は仕入れです。
以前はアパレルの仕事をしていた尹錫帝(ユン・ソクジュ)社長。
お店を始めた6年前は材料との採算が合わず苦労しましたが、2015年に輸入会社を立ち上げフランチャイズを本格化させました。
店舗数を大幅に増やし、低価格でも採算の合うビジネスに成長させました。
加盟店が増えたことで直接輸入ができた。国産の果物は産地から直接仕入れている。
輸入担当の社員はヘッドハンティングをして東南アジアや南米など数ヶ国から旬で価格の安い果物をいつでも仕入れることができるようになりました。
われわれが直接輸入して新鮮で最上級の果物だけを取り扱っている。
材料に使うのは毎日30トン。
輸入した果物は百貨店でそのまま販売してもおかしくない品質です。
鮮度の良さをアピールするために、店舗では透明のケースに入れてお客様の目に触れるようにしています。
韓国経済の現状
ジューシーの好調の背景には韓国経済の現状があります。
大手企業の業績不振で先行きに不透明感が漂って、国民の消費意欲が著しく低下しています。
食後のティータイムをこよなく愛し、これまで価格競争と無縁だった韓国でジューシーの売り上げは1店舗当たり月に約420万円になります。
低価格ジュースの売上好調をデフレの予兆と捉える人もいます。
しかし尹錫帝社長は
ランチとコーヒーの価格が同じなのはコーヒーに利益をのせ過ぎているから。われわれは合理的価格でジュースを提供する。市場に変化は現れると思う。
ヘルシーさと低価格でお客様に訴求力をもつ人気のジュース。
今年中に日本や中国などの進出も計画されています。