
ついに30年半ぶりの大台を突破しました。
日経平均株価の推移を表したグラフです。バブル経済の崩壊後は長らく低迷を続けていましたが2月15日、30年半ぶりに3万円台で取り引きを終えました。
新型コロナの感染拡大が続いている中ですが、このまま上昇は続くのでしょうか?

株式会社東京証券取引所
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午後3時。

伊大知明宏記者、
今日の東京株式市場、日経平均株価はおよそ30年半ぶりに3万円台の大台を回復しました。

小池都知事は、
私がキャスターのころ最高値をつけた。いまだに覚えている。

WBSの初代キャスターでもある小池都知事も日経平均3万円超えのニュースを伝えていました。


1989年の年末には3万8,915円の史上最高値をつけた日経平均。

しかしその後、バブルの崩壊局面に突入。30年半前は下げ過程でも3万円台でした。
山一證券の野澤正平社長(当時)、
社員は悪くありませんから。

バブル崩壊後、金融機関の廃業や破綻が相次いだこの時期、日経平均は1万5,000円台まで下落。
2008年にはアメリカの投資銀行大手リーマン・ブラザーズが破綻。その翌年には7,054円とバブル後の最安値をつけました。
しかし…
安倍総理(当時)、
断固たる決意をもって強い経済を取り戻す。

第二次安倍政権が掲げたアベノミクス。その目玉となったのが日銀による異次元の金融緩和策です。
トランプ相場も追い風となり日経平均は上昇。2月15日、30年半ぶりに3万円台を回復しました。

大台突破、この光景を特別な思いで見た人がいます。
大和証券のエクイティ営業部の沖宗和弘さん、
僕は一生、3万円は見られないと思っていた。

「30年前の仕事は?」
東証で「場立ち」をやってました。

場立ちと呼ばれていた株の売買担当者。顧客からの注文をサインでやり取りしていました。

なるべく簡素化して間違えないサインが一番。

こちらは時価総額上位10社のランキング。
| 1988年(12月7日) | 2021年(2月15日) | ||
|---|---|---|---|
| 1位 | NTT | 1位 | トヨタ自動車 |
| 2位 | 住友銀行 | 2位 | ソフトバンクG |
| 3位 | 富士銀行 | 3位 | ソニー |
| 4位 | 東京電力 | 4位 | NTT |
| 5位 | 東京三菱銀行 | 5位 | ファーストリテイリング |
| 6位 | 第一勧業銀行 | 6位 | リクルートHD |
| 7位 | 野村證券 | 7位 | 中外製薬 |
| 8位 | トヨタ自動車 | 8位 | 信越化学工業 |
| 9位 | 新日本製鉄 | 9位 | KDDI |
| 10位 | 日立製作所 | 10位 | 三菱UFJ FG |

30年前のトップはNTT、上位には金融機関が並んでいましたが、現在の日本株の牽引役は様変わりしています。
2月15日の東京株式市場でもファーストリテイリングとソフトバンクグループの2銘柄で日経平均を180円以上押し上げました。

30年前は投機的なお金が入って結局バブルがはじけた。

現在は収益が上げられる、株式市場で評価される銘柄群は残っている。

午後1時すぎの岩井コスモ証券。

午後に入り、勢いが増してきて今3万34円。

午前9時の取り引き開始直後に3万円を突破すると、一時値を下げる場面もありましたが午後には再び買い注文が集まり終値でも3万円を超えました。

その一因となったのが2追記15日発表されたGDP(国内総生産)の市場予想を上回る伸び率です。

去年10-12月期の実質GDPの速報値は前の3ヶ月に比べてプラス3.0%でした。

この伸び率が1年間続いた場合に換算するとプラス12.7%。2四半期連続の二桁成長となりコロナ後の経済回復へ期待が高まりました。

さらにアメリカの追加経済対策が早期に実行されて景気が回復するとの期待に加え、世界各国でワクチン接種が進んでいることも投資家心理を後押ししました。

街の人からは実感がないとの声も…

一部の株だけ上がっているような、実態と株価が乖離している。

株価だけ上がっているなという感じ。

個人投資家は3万円突破の瞬間をどのように見守ったのでしょうか、2005年から日本株に投資を続けるテスタさん。

数百万円からスタートして、これまでの総利益は40億円を超えるといいます。

午後、日経平均が再び3万円台をつけると…
一時7,000円割れの頃から株を見て、ここまで上がったんだなと。

30年前の3万円をつけた当時、インターネット取引は存在せず、個人投資家も現在のようなリアルタイムでのトレードは難しい時代でした。

昔はプロと言われていた人の情報が今では簡単に個人でも手に入る。

SNSの発達により情報の伝達速度は飛躍的に昔より上がっている。

株式市場を50年に渡り見続けているマーケットアナリストの平野憲一さんです。

88年と現在の3万円。その共通点について、

ここの3万円と今の3万円、共通点はカネ余り。

88年は山手線の中の土地全ての値段とアメリカ全土の土地の値段が一緒だった。

今では考えられないくらいのバブルだった。

共通点として世の中がカネ余りの状態であると指摘。

88年はバブル経済の真っ只中でしたが、現在の日本はバブル経済の状況なのでしょうか…
現在は企業内にとんでもないカネをため込んで、それをまだ全然使っていない。

今のところは余裕があるので、少なくともバブルではない。

企業も個人も借金してまでは株式は買っていない。

今年、日経平均はどこまで上昇するのか、平野さんが指摘する注目点は企業の3月期決算です。

企業業績の先行き、期待通りの動きが出てくれば株も高くなる。

5月の決算が見えてくる、あるいはその前に予想が出てくる段階で「かなりコロナ前に戻ると」となれば5~6月ごろに3万2,000円をつける可能性が十分にある。
