大幅高で始まった今年の株式相場。ところが…
アメリカ FRB
パウエル議長
高インフレの定着を防ぐ。
アメリカの金融引き締めで世界経済の減速懸念が浮上。
さらにロシアがウクライナに侵攻。
日経平均株価は一時2万4,000円台まで下落し、上昇の兆しは見えていません。
そんな荒れ相場の中でも株価を上げた企業にはどんな秘密があるのか。
東証プライム市場の上半期上昇率を一挙ランキング。
6位~10位
6位 | 日揮HD | ⇑78.5% |
---|---|---|
7位 | 三菱重工業 | ⇑77.9% |
8位 | 北國フィナンシャルHD | ⇑76.5% |
9位 | 日水製薬 | ⇑65.6% |
10位 | テイクアンドギヴ・ニーズ | ⇑62.9% |
テイクアンドギヴ・ニーズ
ウエディング大手のテイクアンドギヴ・ニーズ。
コロナ禍で結婚式を見送る人が増えたのになぜランクイン?
その理由が東京・渋谷にあるホテル「トランクホテル」。
テイクアンドギヴ・ニーズが参入した高価格帯のブティックホテルです。
ただおしゃれなだけではありません。
テイクアンドギヴ・ニーズ
岩瀬賢治社長
捨てられる予定だった革を渋谷のアパレルからもらってティッシュカバーに再利用した。
階段の木材は廃材を活用するなど環境への配慮が。
テイクアンドギヴ・ニーズ
岩瀬賢治社長
社会貢献や環境に対しての意識は日本人よりインバウンド客の方が高い。
こうした高価格帯ホテルを29店に増やす計画。訪日外国人客の受け入れも再開し、経済正常化銘柄として注目されているのです。
日揮ホールディングス&三菱重工業
続いて7位は三菱重工業、6位は日揮ホールディングス。この2社にはある共通点が。
松井証券
シニアマーケットアナリスト
窪田朋一郎さん
昨年までは自然エネルギーに対する投資が加速的に進んでいた。
その勢いが速すぎたこともあり化石燃料に対する投資が不足している。
そこに加えてロシアのウクライナ問題が発生した。
三菱重工業は火力発電所や原発を、日揮ホールディングスはLNG(液化天然ガス)のプラントなどを手掛けています。
ウクライナ情勢をきっかけにこうしたインフラ設備銘柄に期待が集まっているといいます。
1位~5位
ランキングは上位へ
1位 | 大阪チタニウムテクノロジーズ | 2.9倍 |
---|---|---|
2位 | 東邦チタニウム | 2.4倍 |
3位 | ジャパンディスプレイ | ⇑94.4% |
4位 | ダブル・スコープ | ⇑93.4% |
5位 | フィールズ | ⇑79.5% |
フィールズ
5位に入ったのはフィールズ。パチンコなど遊戯のメーカーですがなぜランクイン?
興行収入40億円を超える大ヒットとなった映画「シン・ウルトラマン」。
実はフィールズ、ウルトラマンの円谷プロダクションを傘下に持っているのです。
ウルトラマンはYou TubeやNetflixでも全世界に配信され、業績への貢献が期待されています。
松井証券
シニアマーケットアナリスト
窪田朋一郎さん
東南アジアが中心だが、欧米でも日本のコンテンツに人気が集まると注目される。
ダブル・スコープ
続いて4位はダブル・スコープ。あまり聞き馴染みのない会社ですがあなたの身近にある製品にも使われています。
それがセパレーターと呼ばれる絶縁体です。
顕微鏡で見ると40ナノメートルという極小の穴が。
プラス極とマイナス極を隔ててショートを防ぐ一方、電子だけを通す機能を持っています。
このセパレーター、スマートフォンや電気自動車のバッテリーには欠かせないため今後需要がさらに伸びると見られているのです。
さらに…
ダブル・スコープ
大内秀雄取締役
東京でもここ数日、電力の供給不安があったが将来的にはそういったことも解決できるのではないか。
定置型の蓄電システムに大きなマーケットができるのでは。
大阪チタニウムテクノロジーズ&東邦チタニウム
そして株価上昇率のトップ2は大阪チタニウムテクノロジーズと東邦チタニウム。名前がよく似た企業が上位を占めた理由は…
神奈川県茅ヶ崎市にある東邦チタニウムの工場「東邦チタニウム茅ヶ崎工場」。
東邦チタニウム
経営企画部
細川ゆきさん
こちらが主力商品のスポンジチタン。
他の金属より軽く、強度があるため航空機の機体やエンジンにも、特にいま需要が高まっている理由が…
東邦チタニウム
経営企画部 企画担当部長
留場啓さん
ロシア・ウクライナ問題に端を発した影響によるスポット受注があった。
供給が追いつかない。
実は航空機向けのスポンジチタンを製造できるのは東邦チタニウムの他、ロシアの企業など4社ほど。
ボーイングやエアバスがロシアからの調達を見直す中、東邦チタニウムに注文が殺到しているのです。
東邦チタニウム
経営企画部 企画担当部長
留場啓さん
スポンジチタンの需給がタイトな状況は少なくとも数年ぐらいは続くとみている。
確実に生産して顧客に供給するのがまずは一番。