今回のオリンピックは異例の無観客開催となりました。
その裏側で選手の活躍や競技の魅力をファンにどう届けるか、選手とともに戦った人たちに密着しました。

公益財団法人日本オリンピック委員会
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体操男子日本代表。個人総合と鉄棒で金メダルを獲得した橋本大輝選手をはじめ若い世代が躍動しました。

団体総合で金メダルを取りたかった。悔いが残った。

3年後のパリ五輪では金メダルを1つでも多く、そして団体で金メダルを取りたい。

パリ大会に向けて目標を力強く語ったメダリストの4人。
しかし記者会見後、控室に戻った彼らは全く別の表情を見せていました。


耳つけよう。

マスコットのカチューシャやはっぴを身に着けて撮影する4人。

そしてこんなことも…カメラの前でメダリストの技を見せます。

まだ撮ってない。
え!?

実はこれSNS用の動画撮影。

JOC(日本オリンピック委員会)が会見やテレビ出演の合間を縫って撮影し、編集しています。

原則、無観客での開催となった今回の大会。選手とファンが交流できないためインスタグラムやLINEなど6つの媒体を使い、デジタルの力で情報発信や交流を試みました。

「金メダリストになって家族は優しくなりましたか?」

家族はもともと優しかったんだけど金メダルをとって家族がもっと優しくしてくれるかなと思ってる。

この戦略を仕掛たのが山辺浩平さん。JOCが去年SNSでの発信を強化するため採用しました。

そもそもかつては投稿自体されていない。プラットフォームに合った投稿がされていなかった。

スポーツチームの運営や動画配信ビジネスに携わった経験を持つ山辺さん。
その経験を生かし、副業でJOCのSNS改革を手掛けました。

おちゃめなところ、かわいいところが選手にはたくさんある。

一般の人には見えなくても、知ればポジティブになる部分をもっと出したい。

山辺さんの改革もありJOCアカウント全体のフォロワー数がおよそ3倍に。

中には2日で200万回以上再生された動画も。

JOCの担当理事は…
JOCの籾井圭子常務理事。
コロナで物理的に見られないからこそオンラインでのつながりが重要。

公式SNSは注目を浴びている。今のところ大成功なのではないか。

無観客開催に特別な思いで臨む人がここにもいます。
田中慎一郎さん。通信社の契約カメラマンとして感動の瞬間をカメラに収めてきました。
抱きつきそう、かつ抱きついてくるメンバーがなるべく多く入る瞬間を狙う。
この日、向かうのが…
卓球女子団体の決勝です。
確率としては半分半分で負けることもある。
負けたときにどういう写真が撮れるか。
午後7時過ぎ、コートの目の前に田中さんの姿がありました。決定的な瞬間を捉えるため集中してレンズを選手に向けます。
ライバル中国に敗れた日本。
しかし、田中さんの写真には生き生きとした選手の表情が写し出されていました。そこに無観客だからこその思いがあったといいます。
現場で空気を感じながら生で見られる数少ない人間の1人だったので、責任として彼女たちの生の気持ちが写真に出るように努めて撮った。
その田中さんたちの仕事を支える人たちがいます。
メインプレスセンターにあるキヤノンのフォトサービスセンターです。
この子が一番汚れている。
きれいにして砂も取り除きます。
毎日150人ほどのカメラマンがここにメンテナンスや修理のため訪れます。
キヤノンのカメラは世界のカメラマンから圧倒的な支持を集めています。
2019年のラグビーワールドカップでのシェアはおよそ7割でした。
長いレンズが優れていてピント調整が速い。より選手を身近でとらえられる。
そのセンターの内部に初めてテレビ東京のカメラが入りました。
中にいたのは全国から集められたキヤノンの技術者たち。
キヤノンMJプロサポート担当、柿崎利樹さん。
カメラを落とした衝撃によってシャッターが閉じたままになっていて開かなくなっているので新しい部品と交換する。
今回、キヤノンはゼロ・ダウンタイムというカメラを止めない取り組みを掲げています。
メンテナンスは1時間以内、修理は24時間以内に完了。
ずらりと並ぶ100万円を超えるレンズや最上位の一眼レフは修理中に預かったカメラの代わりに貸し出すためのものです。
とても素晴らしい。サービスも早いし、質問すれば何でも教えてくれる。
そのスピードを示すのがこちらの例です。選手がメディア席まで突っ込み、カメラとレンズが真っ二つに壊れる事故が発生。
このカメラも24時間で修理し、カメラマンに手渡しました。
キヤノンもまた無観客開催に特別な思いで臨んでいたのです。
無観客で中の様子を機会はメディアが撮影するもののみになって、そこで撮影されたものの価値はより高まっている。
われわれのサポートの価値、意味も非常に重要なものになっている。