東京・世田谷区のごみの量のグラフ。あらゆるごみを合わせてこれだけの量です。
コロナ禍で在宅時間が長くなって家の片付けをする人が増えたということなのでしょうか。
世田谷区では粗大ごみの引き取りの申込みが急増したといいます。
そこであるネット企業と手を組み、ごみを減らす取り組みを始めました。
株式会社ジモティー
[blogcard url="https://jmty.jp/"]
車から降ろされるイス、姿見、さらにはスノーボードまで。これらは全て要らなくなったもの、不用品です。
特に不具合とかは?
ほとんど使っていなくて…
こちらはホームベーカリー。3回ほどしか使っていないといいます。
持ち込んだ女性は…
使っていないからどうしようかと思っていたが、他の人が使ってくれるというので捨てるよりいいかなと思って持ってきた。
ここは世田谷区と地域情報サイトのジモティーが共同で運営する不用品の持ち込みスポットです。
ジモティーのビジネス開発責任者、片山翔取締役。
本来、そのまま廃棄されてしまうものの中でまだ使えるものを持ち込んでもらえれば次の引き取り先を見つけるというのが今回のサービスの趣旨。
持ち込まれた不用品を必要としている人にゆずる、リユースを促進することでごみの量を減らすことを目的とした実証実験です。
持ち込んだ男性。
いま世田谷区、取りに来てもらって4週間待ち。
世田谷区の施設への持ち込みは2~3ヵ月待ちだから非常に便利。
区のホームページを通じて事前予約が必要ですが無料で引き取ってもらえます。
3辺で180センチ以内、申し訳ありません。
ただし、こたつなどの大型の家具や汚れがひどいものは引き取ることができません。
引き取った不用品はジモティーのサイトにアップするためにサイズを測り、スマホで撮影。特長や状態などを入力していきます。
担当するのはジモティーのスタッフなので作業は手慣れたもの。
電化製品はコンセントに繋いできちんと機能するかも確認した後に型番も撮影します。
それでもかかる時間はわずか5分ほど。
チェックが終わると同時にサイトには商品が掲載されました。
電子レンジのような家電製品、まだまだ使えるコーヒーメーカー。
子ども連れのこういったものもまだ全然使える。
未使用のものも持ち込まれていて、例えばこの辺りのプリンター。
保証書もついている。新品のものもある。
未使用のプリンターは3,000円。
電子レンジは300円。
ベビーカーにいたっては0円。なんとタダです。
初日に持ち込まれた不用品は棚を埋め尽くすほどでしたが…
翌日には朝からサイトを見た人が大勢訪れ…
これ買います。
人が使ったものは嫌なんて言うが、リユースという感覚でいれば汚くなければいい。
人のものが嫌な人は来なければいい。
お目当ての商品が次々と引き取られていきます。
その日の午後には…
この辺りにきのう電子レンジがいくつもあったが全て売れた。
プリンターも引き取ってもらってあと1台だけになっている。
前日に持ち込まれた新品同様のホームベーカリーはこちらの女性が3,000円で購入。
使えるもので使いたい人が安く手に入れられるのはすごくいい。
部品も全部あるみたいでありがたい。
「パン作る?」
パン作ります。
今回、ジモティーと組んだ世田谷区。
これまでもゴミ削減を目的としたリユースを進めてきました。
世田谷区の清掃・リサイクル部、泉哲郎事業課長。
回収したものの一部。月に2回入れ替えしている。
こちらは粗大ごみとして回収されたもの。
修繕し、希望する人に提供しています。
ただ1回に展示できるのは40点とその数は限られています。
今回、ジモティーと組んだ理由は…
実証実験の最大の目的はごみの減量。
アプリを使うことで広く多くの人、取り組みが利用できることが大きい。
リユースに対する意識が区民の中に広がっていけば、もっと大きな効果が将来的に出てくると期待している。
一方、ジモティー側にも自治体と組む狙いが…
ジモティーの経営企画、小野有美さん。
ジモティーに掲載されるお得なものの情報量が増えることによってユーザー数やサービスの収益拡大につなげることができる。
ジモティーの収益の柱は広告料です。
閲覧数を上げるためには魅力的な不用品の確保が欠かせないといいます。
ごみ削減を目的に世田谷区とタッグを組んだジモティー。
今回の実証実験は幸先の良いスタートとなったようです。
オープン1日半で300品以上持ち込まれて200品が引き取られている。
そのスピード感がジモティーの売り。
すぐに引き取りに来て、譲り先が見つかるというのがリユースの循環を作るうえでもポイントになっている。