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[WBS]開発の狙いは!?巨大人型ロボット実現へ[株式会社人機一体]

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鉄道の線路内で作業をしているのは巨大な人型ロボットです。現在開発中ということですがSF映画やアニメに登場する巨大ロボットの世界がいよいよ現実のものとなりつつあります。開発する企業を取材しました。

巨大人型ロボット実現へ!鉄道の保守から料理まで!?

滋賀県草津市。一見倉庫のような建物、現れたのは巨大な人型ロボット。

開発しているのは2007年に創業した人機一体という会社です。その名の通り、VRゴーグルを使うことで人と機械が一体となって動く仕組み。人が操縦席に乗り込んでロボットを操作。パイロットは両手を使ってロボットを直感的に操縦することができるのです。

開発を主導するのは20年以上ロボットの研究に携わる社長の金岡さん。巨大ロボットを操って何をしようというのでしょうか。

人機一体 社長
金岡博士

ロボットの得意なところ、人の得意なところがある。
人は臨機応変な現場での判断が得意。
一方、ロボットは物理的な能力を発揮するのに適している。
人と機械の相乗効果を目指している。

金岡さんがロボットの開発でタッグを組むのがJR西日本。これは4月に線路上で行われた実証実験です。ロボットを操作して架線の部品の持ち上げから鉄骨の塗装作業まで。架線の保守作業は感電や転落といった危険が伴います。そこで熟練の作業員が巨大ロボットを操縦することで効率的で安全な作業を実現しようというのです。

西日本旅客鉄道
梅田善和さん

操作性など改善しなければならないが実現性は高い状態になってきた。

では、見せてもらおうか巨大ロボットの性能とやらを。

人が両手でやっと持てる20キロの鋼材をロボットに渡します。操縦桿のトリガーを軽く引くだけでがっちりと鋼材を掴んで片腕で軽々と持ち上げました。

続いてブロックを手渡すと両手で器用にブロックを組み立てることもできます。

肩・肘・手首の関節に11個のモーターを搭載することで複雑な動きが可能に。

人機一体 社長
金岡博士

人間の関節と完全に一致するわけではないので。
多少の違いがあり慣れる必要はある。
勘のいい人は5分で動かせるようになる。
われわれの技術は機械の能力を人間とダイレクトにつなぐ技術。
これを実現することによって生身の肉体ではできないことをロボットが可能にしてくれる。

いま取り組むのがディスプレイの改良。画面に表示されるメーターにこだわりました。

人機一体 社長
金岡博士

これは把持力です。
どれくらいの力を出して物を持っているか。

掴む力を視覚化することでより直感的な操作が可能に。

操縦歴6年のパイロットならこんなことも。トングを使って生卵を掴みました。フライパンの縁で卵を叩いて…あっ落としてしまいました。

人機一体 社長
パイロット

黄身が見えている。

殻を取り除いてギリギリセーフ。なんとか目玉焼きの完成です。

2年後、まずは1号機をJR西日本に導入。その後、さまざまな業界に対応する量産モデルの生産を始める計画です。

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