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[WBS]どうなる?円安ニッポン!何が起きた?異例"金融デー"

ワールドビジネスサテライト(WBS)

9月22日の為替介入のきっかけは日銀の金融政策の発表後につけた歴史的な円安でした。そして9月22日は日銀以外にもアメリカなど世界の中央銀行が相次いで金融政策を発表していて、これも波乱の円相場に少なからず影響を与えました。激動となった金融政策デーの一日を追いました。

金融政策デー そのとき投資家は…

9月22日未明。パソコンのモニターを見つめる人が…

FX(外国為替証拠金取引)などで3億円ほどを運用している投資家JINさんです。

個人投資家
JINさん

今年、含み損がすごいことになっていて大ピンチです。

実は半年ほど前には急激な円安に歯止めがかかるとみていたJINさん。1ドル120円台のとき円高ドル安に進めば儲けが出るように投資していたのですが、その考えに反し、今では140円台まで円安が進行。

個人投資家
JINさん

含み損が4,700万円ぐらいまでいって。

アメリカのFRBが金融政策を発表する午前3時前、為替はどう動くのか、JINさんの見立ては…

個人投資家
JINさん

円安かな…ドルが強い。

そういって円安ドル高に進むと儲けが出るように仕込んで発表を待ちます。

そして午前3時…

個人投資家
JINさん

抜きました。上がった。
ドル高円安・株安ですね。

FRBは通常の3倍となる0.75%の利上げを発表。発表前144円前半だった円相場はJINさんの予想通り144円台後半まで円安が進みました。

そして午前3時半。FRBのパウエル議長の会見が始まりました。

FRB
パウエル議長

われわれは物価上昇率を2%まで引き下げると強く決意している。
ソフトランディング(経済の軟着陸)は非常に困難だ。
金融引き締めが景気後退につながるのか、それがどの程度になるのかは誰も分からない、

景気を無視したまま経済を適度に減速させることは難しいと認めたパウエル氏。併せて示した2022年10-12月期のGDP成長率の見通しは0.2%と大幅に下方修正。景気後退の可能性をにじませつつ、それでも物価上昇を抑えるため利上げを続けるという姿勢を強く示したのです。

注目イベントでの取引を終えたJINさん。

番組スタッフ

気持ちよく眠れそうか?

個人投資家
JINさん

なんとかあまり暴騰・暴落はしなかったので。きょうは優しい。

そう語っていたJINさんですが…

円相場 24年ぶり145円台に

夜が明け、日本のマーケットでは…

伊大知明宏記者

FRBが大幅な利上げを継続する方針を示したことを受けて景気悪化の懸念が強まっています。
きょうの日経平均株価は300円以上下落しています。

その後も下落し、午前10時半すぎには2万7,000円を割り込む場面もありました。

そして午前11時50分ごろ、FX取引を手がけるSBIリクディテイィ・マーケットでは…

SBIリクディテイィ・マーケット
スタッフ

出ました!

金融政策を決める会合を開いていた日銀が結果を公表。

長江優子記者

たった今、日銀の大規模緩和継続維持が発表されたところ、24年ぶりに145円を突破しました。

日本とアメリカの金利差の拡大が意識され、円相場は145円代前半まで円安が進行。

ところがその直後…

SBIリクディテイィ・マーケット
スタッフ

変な動きをしているな。

SBIリクディテイィ・マーケット
スタッフ

変な動きしているぞ。
ちょっとなんかおかしい。

SBIリクディテイィ・マーケット
スタッフ

もしかしたら為替介入か?

SBIリクディテイィ・マーケット
スタッフ

まじかよ。

SBIリクディテイィ・マーケット
スタッフ

ひどい、ひどい、ひどい。

短い時間で2円ほど乱高下。荒い値動きにディーラーたちは神経質になっています。

そして、市場関係者の次の注目は…

緩和維持決定直後に…為替介入

午後3時半から始まった黒田総裁の会見。

日銀
黒田総裁

金融緩和を継続することが適当であると考えております。
必要があれば躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じます。

コロナ禍からの景気回復を下支えするためとして、大規模な金融緩和策の維持を決めた日銀。

記者から金融政策を見直す可能性について問われると…

日銀
黒田総裁

当面、金利を引き上げるようなことはないと言っていいと思います。
「当面」とは「数ヵ月の話」でなく「2~3年の話」とお考えになっていただいた方がいい。

当面、金利を引き上げることはないと断言した黒田総裁。金融緩和を維持する考えを示しました。

また、黒田総裁からは足元の円安をけん制するような発言も…

日銀
黒田総裁

円安が進んできたことは一方的な動きであり、投機的な要因も影響しているのではないかとも考えられる。

しかし、この会見中も円相場は一時146円台に迫るところまで円安が進行。

その時、個人投資家のJINさんは…

個人投資家
JINさん

すごいっすね。今世紀最大の円安がどんどん更新されていっちゃって。
まずい、汗止まらない。

9月22日未明に4,700万円だった含み損は急激な円安により5,000万円台に。

個人投資家
JINさん

黒田総裁はぶれないひとだということは分かりました。
来年まではもう円安は止まらないかもという覚悟をしている。

あくまで金融緩和を続ける姿勢の日銀。

一方、アメリカはFRBの利上げ継続発言で景気減速の懸念が広まっていますが…

大江麻理子キャスター

アメリカではインフレ抑制のため、景気を冷やさざるを得ない状況になっている。
日本にそうした影響がどのくらい波及するとみているか?

日銀
黒田総裁

現時点で日本経済にとって経済見通しを何か引き下げなければならないような新たな、従来見ていた以上に大きな影響が出てくるとは考えておりません。

大江麻理子キャスター

足元の国内の景気の状況、企業・家計への影響をどうみているか?

日銀
黒田総裁

全体として企業収益のレベルは高水準にあるし、夏のボーナスもかなり高い水準だったようですし、むしろ私どもとしては冬のボーナスもさることながら、来年の春闘がはっきりと賃金の上昇をもたらすのではないかと期待している。

黒田総裁の会見終了後…

財務省
神田真人財務官

政府としてこうした過度の変動を憂慮しており、先ほど断固たる措置に踏み切ったところ。

記者

「断固たる措置」とは為替介入か?

財務省
神田真人財務官

そうです。

24年ぶりとなる円買いによる為替介入に踏み切った政府・日銀。

この発表を受けて145円台後半だったドル円は一気に一時140円台まで円高が進みました。

為替介入の効果について専門家は…

三菱UFJモルガン・スタンレー証券
チーフ為替ストラテジスト
植野大作さん

日銀が大規模緩和の現状維持を決めたその日に円買い介入を財務省がやってもちぐはぐ感は否めない。
そういう為替介入はあまり効果は高くはないし、長持ちもしないと思う。
150円を試しにいくタイミングが後ずれしたということはあると思うが、どの程度後ずれしたかは、やはり今後の介入のやり方次第ですね。

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