日本経済新聞とTXN系列5局が共同制作し、躍動する地域経済のニュースを伝えるローカルビジネスサテライト。
今回は岡山からファッションの話題です。ジーンズの生地である素材を使った商品が人気になっています。
第5の天然素材!?
〇〇○デニム
電柱にぶら下がるジーンズ、デニムの自販機、さらには藍色のドリンクまで、ここ岡山県倉敷市児島地区はジーンズの聖地。
1965年に国産第1号のジーンズが作られ、全国から愛好家が集います。
そんな聖地で生まれた新商品が注目を集めているそうです。
ジャパンブルージーンズ 児島店
蓮井真由店長

わざわざ県外から来るお客様も多く、たくさん売れて在庫も少なくなっているのでうれしい。
テレビせとうち
中島有香記者
しなやかで着心地もいいです。
実はこのデニム、捨てられるはずだったあるものが使われています。

ジャパンブルージーンズ 児島店
蓮井真由店長

実はバナナが使われています。
なんとバナナ。いまバナナから取れる繊維が綿、麻、ウール、シルクに次ぐ第5の天然素材として世界から注目されています。
その理由は廃棄量の多さです。
バナナは実を収穫すると地面から50cmほどを残して茎や葉を伐採してしまうためたくさんのゴミが出ます。
バナナ農園

本当に困っています。
土の中に入れて再生できないか考えるが、繊維質なので自然分解ができない。
土に埋めると土壌汚染、燃やすとCO2を大量に排出します。
世界で伐採される量は茎だけで年間10億トンに上り、生産されるバナナの6倍以上ともいわれています。
そんなバナナ問題の解決に動いたのがデニムメーカーのジャパンブルーです。
問題を知った岸本さん、タイからバナナ繊維を輸入したところ…
テレビせとうち
中島有香記者
ごわごわ。

その繊維で織り上げた生地はというと…
テレビせとうち
中島有香記者
硬くてチクチクしているので、着られない。

そこで伸縮性を加えるため綿と掛け合わせ糸を開発することに。
綿の種類や配合を変えるなど試行錯誤すること2年。バナナ18%、綿82%という黄金比にたどり着きました。
通常の糸と比べると太くてふわふわ。これが耐久性と吸水性のある生地を生みました。
ただ、それでもまだ履き心地は硬く、洗いの工程でも工夫が…
洗い加工業者

シルク柔軟と言って、粘土が高く、より柔らかくできる成分が強い柔軟剤を用いている。
柔軟剤を独自開発するなど改良を加えた末、バナナならではの味わいと着心地の良さを兼ね備えたデニムが完成しました。
日経新聞 記者の目
日本経済新聞社 岡山支局
藤井太郎記者

近年、ファストファッションの台頭や少子化で国内市場は頭打ち。
エシカルという価値を付けることでデニム愛好家だけでなく、国内外の感度の高い消費者を新たな顧客として狙っているようです。
新作を企画中…
海外営業担当

環境意識の高い人向けに売っていくときに、アウトドアな人たちが関心が高いのかなということで農作業にも使えるような。
来年の春夏コレクションにはバナナの割合を増やした商品も加わる予定です。
ジャパンブルー
岸本裕樹乗務

商品自体がいいなと思って手に取ってもらったときに、その後に、実はバナナだったんだと知ってもらえるような、もっと一般的になれる商品づくりをしたい。