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[WBS]JALの新戦略!「LCCを強化」のワケとは?[日本航空株式会社]

2021年6月30日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

6月30日に発表された6月の消費動向調査で消費者心理を示す指数、消費者態度指数が3ヵ月ぶりに改善しました。

新型コロナのワクチン接種が進んでいることなどが背景にあると見られます。ワクチン接種を終えた後、皆さんは何にお金を使いたいと考えているのでしょうか、聞いてみました。

日本航空株式会社

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「感染拡大が落ち着いたら2人でしたいことは?」

旅行。今までずっと我慢していた。

2泊3日ぐらい?九州だったら1週間ぐらい行きたい。

ハワイへ行って、ゆっくり浜辺で1週間ぐらいゆっくりしたい。

娘がいて、孫もいる。孫を連れてハワイに一緒に行くのが最大の楽しみ。

やはり最も多く聞かれたのは旅行、観光に行きたいという声でした。

その旅行需要ですが、ワクチン接種が先行している国でいま急速に回復しています。

そのためアメリカのユナイテッド航空は29日に新型の小型旅客機を過去最多となる270機購入すると発表しています。

苦境に立たされる日本の航空会社も回復を見据えて旅行需要を逃すまいと動き出していました。

6月30日の成田空港。

平原幸輝記者、

こちら成田空港の出発ロビーです。ご覧のように人の数は少なく閑散としています。

掲示板に載るフライト数はコロナ前の半分以下とまだ客足は戻っていません。

そんな成田空港の駐機場を覗いてみると人だかりが…

その先にあったのは3体の飛行機。

オレンジや緑など色とりどりの3社の飛行機が並んでいます。実はこれら全てが日本航空グループのLCCです。

日本航空グループのLCC(格安航空会社)、ジェットスター・ジャパンとジップエア、そして追加出資し、6月29日付けで小会社となった春秋航空日本です。

コロナで苦境に立たされる中、日本航空グループが新戦略として打ち出すのがLCCの強化。

売り上げを2025年までにコロナ前の2倍に伸ばす計画です。

では、LCCを強化する理由は何なのでしょうか。

日本航空の路線事業本部長、豊島滝三さん、

観光需要が戻っていくだろうと見込み。

LCCを総結集して、まず収益のリードをしてもらう。

機内食などのサービスを絞ることで運賃を安く設定するLCCのメインターゲットは旅行客です。

一方、日本航空や全日空などはファーストクラスやビジネスクラスを中心としたビジネス客がターゲットです。

ウェブ会議サービスのZoomなどが浸透しており、ビジネス需要は頭打ちするだろう。

ビジネス需要とは対象的に回復が期待される旅行需要を狙うため、LCCがカギを握るといいます。

国内の主なLCC事業社は日本航空グループの3社と全日空グループのピーチ・アビエーションの4社のみ。

その全日空も8月下旬からピーチと共同運行すると発表していて、LCC強化の動きを加速させています。

日本航空グループは傘下のLCC3社、それぞれの強みをつなげる戦略です。

成田空港をハブとして春秋航空日本で成田まで来たお客様をジップエアでアメリカに運ぶこともある。

国内路線に強いジェットスターは主に国内線を、春秋航空日本は中国のインバウンド需要を狙います。

そして最も成長を期待されているのがジップエア。LCCには珍しくハワイなどの中長距離の運航を担います。

実は去年12月にハワイ・ホノルル便を就航したジップエアですが感染が拡大し、わずか1ヵ月での運休を余儀なくされていました。

そのホノルル便が7月21日から再開します。

再開を前に本社で行われていたのは入社式。

ジップエアの西田真吾社長、

航空業界、こんな上京だが皆さん諦めることなく当社に合流いただいた。

やっぱり空の仕事に関わりたいと思ってくれたことはわれわれの勇気になる。

客室乗務員の数を23人増員。大半がJALグループの地上職を務めていた人で、即戦力として採用しました。

今までの2年間、国際線チェックインのゲート担当をしていた。

客室乗務員でも体現したい。

旅行需要を掴み取ろうと新たなサービスも続々導入します。

成田空港でPCR検査を受けて、陰性証明をもらい次第、チェックインする流れを作っている。

出発前に空港でPCR検査をし、陰性であればハワイ州が指定する陰性証明書を取得できるよう手続きを代行。

これを使えばハワイに到着後、10日間の隔離が免除されるのです。

そして機内には特別な抗菌抗ウイルスの加工を施しました。

また、外国人に人気の高い北海道の「白い恋人」を店舗以外で初めて機内で販売します。

さらにジップエアは次の手も打っていました。

ハワイ便の再開に続き、秋にはアジアに2路線を拡大する予定です。

その先に選んだのは台湾。観光に加えて貨物需要も狙う考えです。

今、運航できているのは航空貨物。この需要で油代も着陸料もまかなえる。

こういう算段がついているから飛ばせている。

航空貨物としては台湾は半導体を製造している国なので航空貨物に適した荷物がありそうだとにらんでいる。

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