次世代ディスプレイの本命ともいわれているう有機ELについてのニュースです。
有機ELを使用した局面のデザインが話題になったスマートフォン「Galaxy S8/S8+」。

薄くて曲げられるのが特徴なのでこのようなデザインができます。
さらに2017年に入ってソニーやパナソニックが有機ELパネルを使用したテレビを相次いで発表していて、市場では有機EL元年とも言われています。
そうした中、5月17日に日本のパネルメーカーが世界初の技術を使った有機ELパネルを製品化すると明らかにしました。
サムスンやLGなど先行する韓国メーカーに対抗できるのでしょうか?
株式会社JOLED(ジェイオーレッド)
[blogcard url="http://www.j-oled.com/"]
2015年にパナソニックとソニーの有機ELディスプレイ部門が一緒になって作ったJOLEDという会社。今日、ようやく製品化の目処がたったと発表がありました。それが21.6インチのモニター、薄さがパネル単体で1.3ミリを実現しています。
発表会に登場したJOLEDの東入來信博社長。先行する韓国のサムスンやLGに対する日の丸有機ELの優位性をアピールしました。
最大の違いは有機ELパネルの製造方式です。
印刷方式での有機ELはここまで来た。
韓国勢が採用する蒸着方式は真空中で蒸発させた有機材料をマスク越しに吹き付けてパネルを作ります。
一方、JOLEDは印刷方式を採用。プリンターの要領で有機材料を均一に塗りつけます。蒸着方式のように真空状態にする必要がなく、材料のロスも少ないため、製造コストが20%程下がるといいます。
ただ、パネルに均一に材料を塗ることが難しく、実用化はまだ先とされていました。
10年以上の研究の末、ようやく世界で初めてJOLEDが製品化に成功しました。
ソニーに採用が決まる方向。十分、実用に耐えるところまで来たというのが今の段階。
JOLEDはまず20~30型の中型パネルの生産を開始。医療用ディスプレイとして製品化が決まったほか、車や飛行機のモニターなど新たな用途を開拓していく方針です。
有機ELパネル
有機ELパネルを巡る現在の勢力図。スマートフォン向けの小型パネルはサムスンが非常に強く、逆にテレビ向けなどの大型パネルはLGが非常に強い状況。いずれも韓国勢が先行しています。
JOLEDは中型、20~30インチのマーケットを狙っていく予定です。
ただ、サムスンやLGもこれから技術開発を進めていく中で、どちらも中型パネルを狙ってくるといわれています。
JOLEDは、医療用や車載用を入り口に、その先は新しい用途を発掘していく考えです。例えば紙のようなディスプレイや洋服に貼り付けるようなディスプレイ。そういったモノを開発して中型のマーケット自体を大きくしていく。
さらに、その先に今回、世界に先駆けて開発した印刷方式の生産技術。これを有料で他社に供与していく。さらに他社との提携で自分たちの陣営を増やしていく戦略を考えています。
こうした戦略が日本のディスプレイ産業の復活につながるのか、JOLEDの東入來社長に話を聞きました。
東入來信博社長
「将来的には有機Eが主流になる?」
私はOLED(有機EL)が主流になっていくであろうと思う。
画質の良さや薄さ、曲げられることから次世代のディスプレイの本命として期待がかかる有機EL。
JOLEDが普及を主導することで日本のディスプレイ産業の復建につながるのか?
「本格的な生産の場合、大きな工場を建設する?」
日本の中で大きい工場をもう一遍造ることは多分ないだろうなと思っている。われわれの技術開発を続けて、この印刷方式を広めていくなかで今ある製造拠点を最大限活用させていただこうと。