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[WBS]新たな観光スタイル?脱"インバウンド頼り"に商機[株式会社岩岳リゾート]

ワールドビジネスサテライト(WBS)

2019年の浅草の様子ですが、見てみると外国人観光客が多いです。

こうしたインバウンドの数はここ10年ほど年々増え続けていて2019年には3,200万人にまで迫り、消費額は4兆8,000億円を超えました。

その後政府は2020年に4,000万人、その先の2030年には6000万人の目標を立てていましたが新型コロナの影響で実際には2021年は24万5,000人、消費額についても1,208億円とほぼ消滅してしましました。

ただ来週には入国制限も現在の1日上限1万人から2万人へと引き上げます。

また世界経済フォーラムの観光競争力ランキングで日本が初めて1位になるなどインバウンド復活の機運は高まっています。

観光競争力ランキング
1位日本
2位アメリカ
3位スペイン
4位フランス
世界経済フォーラム(WEF)

ただここで注目したいのが訪日客の内訳です。

2019年 訪日外国人観光客数
中国30.1%
台湾15.3%
香港7.2%
韓国17.5%
アジアその他14.0%
ヨーロッパ 
南北アメリカ 
オセアニア 
日本政府観光局(JNTO)

最も多かった2019年に中身を見てみるとアジア、その中でも中国、台湾、香港の広域中華圏でおよそ半数を占めています。特に中国は3割と大きく、そのため日中関係が冷え込む今インバウンドがすぐに戻ってくるかは不透明です。

こうした状況でインバウンドに頼りすぎない観光を目指し動き出している町がありました。

鍵は"脱インバウンド依存"!日本人観光客急増のワケ

長野県白馬村。1998年の長野オリンピックでジャンプやアルペン競技が開かれた国内屈指のスキーリゾートです。

訪日外国人

いい雪!

コロナ前、白馬エリアにスキーで訪れる外国人客は33万人を超えニセコに次いで国内2位。

外国人客数 2017年12月-2018年5月
1位ニセコ約55万人
2位白馬約33万人
3位トマム約21万人
岩岳リゾート調べ

しかし、新型コロナの感染拡大後、外国人客はほぼゼロになりました。

白馬で観光開発を手掛ける和田寛さん。

岩岳リゾート
和田寛社長

冬のインバウンドのお客様がほぼゼロになって苦しいシーズンが2~3シーズン続いている

そこで和田さんが進めたのが脱インバウンド依存です。

もともと海外からのスキー客が途絶える夏の落ち込みが課題だった白馬。日本人が通年楽しめるリゾート開発を目指したことが脱インバウンド依存につながりました。

例えば…

萩原由佳記者

白馬の山々が、実景がすごく美しく見えます。

白馬村で白馬に乗るアクティビティや山を駆け抜けるバギー、絶景を見ながらのブランコ。

山しか見えないのですごくきれいで楽しかった。

普段都会にいるのでリフレッシュになる。

自然に囲まれながらリモートワークができる森のオフィスを作るなどワーケーションもいち早く取り入れました。

その結果、客数はコロナ前と比べて1.4倍に増えたといいます。

宿泊施設にも変化が…

白馬ハイランドホテル
掛谷嘉則社長

明らかに連泊数が多くなっている。
いろいろな楽しみ方を白馬の中に見つけてもらっているのかなと。

さらに宿泊者数を増やそうと和田さんが動き出していました。

それが山頂で開催する音楽フェスです。コロナ禍でライブなどの機会を失い打撃を受けた音楽業界と手を組むことにしたのです。

参加するアーティストは…

スキマスイッチ
常田真太郎さん

普段ツアーで回っているエリアではないところで、こういう観光を兼ねたイベントというかフェスが行われることは新たな幅の広がりを持たせられるものとしては親和性が高い

元キマグレン
ヤッホーフェスプロデューサー
ISEKIさん

山に来てくれた、たまたま来た人も音楽をやっているんだということでかけ算になっていく何乗にもなっていくという印象はもっていて、そういうふうになってほしい。

今回、9日間のイベントでおよそ8,000人の来客を見込みます。

岩岳リゾート
和田寛社長

一番の中身はコンテンツ。それは施設かもしれないし、サービスかもしれない。こういうイベントかもしれないがそういうものをしっかりやり続けてビジネスとしてしっかり成り立たせる

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