この春、38年ぶりに新設されたのが医師を育てる大学の医学部です。
しかも留学生は学費や生活費が6年間タダです。
その狙いは何なんでしょうか?
国際医療福祉大学
[blogcard url="http://www.biccamera.com/bc/top/CSfTop.jsp"]
千葉県成田市にある国際医療福祉大学。
4月3日から授業が始まったのは国内で38年ぶりに新設された医学部です。
1学年の定員は医学部としては国内最大規模の140人。このうち20人が東南アジアからの留学生です。
彼らは卒業までの6年間の学費と生活費が最大で3,000万円支援されます。
留学生に対して何故そこまでするのか?
医学部の新設の理由
国際医療福祉大学の大友邦学長は、
アジアの医療レベルを高めるためにきちんと貢献することが医学部設立の要件。大きく考えれば文化的な意義だけではなく日本の医療産業にとっても、それを受け入れてくれる土台が海外にできるということだと思う。
留学生を受け入れることで世界に日本の医療技術を広めたり、日本製の医療機器などを取り入れてもらうきっかけにもなるといいます。
国内に38年間、医学部が出来なかったは背景には日本医師会などが医師の数が増えすぎるとして強く反対したことがあります。
しかし今回、国家戦略として留学生を受け入れ、アジアに貢献することや国際性を持った医師を育成することを条件に千葉県成田市での医学部の新設がようやく認められました。
サポート体制
手厚いサポートは留学生だけはありません。
日本人学生の学費も国内の私立大学医学部で一番安い1,850万円に設定。
それでも国際性のある医師を育成するためのカリキュラムを充実させました。
国内外から講師を集め、多くの授業を英語で実施。
新入生は、
グローバルに通用する人材になりたい。
日本にも海外の人がたくさん来るので、そういう人にも通用する医師になれたら。
系列の医療機関が多くあるという特徴を生かし、臨床実習はほかの医学部の約2倍行います。
さらに最終学年では全学生が1ヵ月以上、海外での臨床実習に参加します。
大友邦学長は、
日本は絶対値としては優れているがアピールをしていない。アジアに出てみるとシンガポールやマレーシア、タイの病院の方が知れ渡っている。そういうものに一石を投じ国際的なハブ病院がもっと国内で増えてしかるべき。そういう流れをしっかり作っていきたい。
施設も充実。
成田キャンパス事務部の三島眞人総合管理部長は、
一番の特徴は22室ある模擬診察室。
実際の診察室に見立てた模擬診察室。模擬訓練を行っている様子をマジックミラー越しに講師がチェック。その様子は撮影されていて復習もできます。
11月には世界最大級の医学教育シミュレーションセンターを開設。実際の救急エリアや手術室を想定した環境で訓練を行えるようになります。
小泉一成市長
今回、国家戦略特区に認定され医学部の誘致に成功した成田市の小泉一成市長、地域の医師不足の解消になるだけでなく、医学部の学生や教職員の生活圏ができることで経済効果は年間211億円にも上るといいます。
さらなる野望は。
世界に日本の医療を発信できる医学部になると確信している。まさにアジアの医療基地を目指したい。医療を目的に国内外から来てもらえるよう実現に向けスタートを切っていく。