私たちの生活に欠かせない生鮮食品。
今、生鮮食品をネットで購入して家まで配達してくれるサービスが非常に増えています。
ネット通販やスーパなど多くの会社が始めていて、まさに群雄割拠という状況です。
一方で配達の指定時間が集中してしまい希望通りの時間に配達してもらえない、選べないという問題が起きています。
なぜ、そんなことが起きるかというと物流の限界が来ているからです。
この物流をどうやって強化していくかが勝負のカギとなっています。
そうした中、すでにネット通販で生鮮食品の宅配をしているイトーヨーカドーが新たな生鮮食品の宅配を11月28日から始めます。
ますます激しくなる生鮮食品宅配サービスの現場を取材しました。
株式会社イトーヨーカ堂
[blogcard url="http://www.itoyokado.co.jp/"]
東京・西日暮里にある倉庫。イトーヨーカドーのネットスーパーの配送拠点です。
お客様からの注文を受け従業員が肉や野菜などの生鮮食品や調味料など商品を次々にカゴに入れていきます。
その商品が積み込まれていくトラック。
実はこのトラックは大手通販サイト「LOHACO(ロハコ)」のトラックです。
イトーヨーカドーは11月28日からアスクルが運営するロハコに生鮮食品を扱う「IYフレッシュ」という新たな店舗を構えます。
自社で運営するイトーヨーカドーネットスーパーに加えて2つ目のネットスーパーを持つかたちです。
お客様はロハコのサイトから注文します。注文を受けたイトーヨーカドーは商品を梱包し、それをロハコの物流網でお客様の元に届けます。
イトーヨーカドーはロハコに配送料を支払います。
生鮮食品は専用のクラーボックスで運ぶためロハコ側は冷蔵車を用意する必要はありません。
お客様はロハコが扱う生活用品なども同時に注文ができて合わせて4,500円以上になると送料は無料です。
即日配送はできませんが翌日以降、1時間単位で配達時間を指定できます。
また前日に注文が確定することで通常の店舗では手間がかかり提供できない細切りの豚肉なども用意できます。
イトーヨーカドーはこの「IYフレッシュ」を11月28日から文京区と新宿区で始め、18年度に23区に広げる計画です。
株式会社セブン&アイ・ホールディングス
[blogcard url="http://www.7andi.com/"]
イトーヨーカドーを運営するセブン&アイ・ホールディングスはアスクルと提携したIYフレッシュで従来のネットスーパーの改題を解消する狙いがあります。
清水健執行役員は、
細かい時間指定がなかなか難しかった。そういうことはアスクルの方が優れている。われわれの強みは商品、特に生鮮中心の日常品。アスクルの強みは物流とシステム。それらが合わさることで本来の強みが出る。
IYフレッシュで扱う約5,000商品のうち2割近くは生鮮食品。
そしてスーパーでは扱わない調理キットの提供にも力を入れます。
働いている女性向けなど、日々の料理を簡単に手早く作ってもらうために調理キットは必要。多くのお客様にとって非常にニーズがある。継続的に使ってもらえると思う。
調理キット
調理キットとはどんなものなのでしょうか?
都内に住む髙橋麻美さんがお昼ごはんの準備に冷蔵庫から取り出したのは、野菜のネット宅配を手掛けている「Oisix(オイシックス)」の調理キットです。
調理キットには献立に合わせた必要な量の食材や調味料が入っています。
もとは有機野菜などの宅配で利用者数を伸ばしたオイシックス。2013年から販売を始まった調理キットを髙橋さんは今では週に1~2回利用するといいます。
全部買ってきたものだと気が引ける。子どもも小さいので「母親が料理を作っている」というのも大事。
この日の料理は野菜のビビンバ。材料を出してわずか20分足らずで完成です。
夫の髙橋明彦さんは、
共働きなので、嫁の負担が少なく美味しいものが食べられればと。料理はしっかりしているので作ってもらっている感じがする。惣菜とは違う。
オイシックスドット大地株式会社
[blogcard url="https://www.oisix.com/OtameshiTouroku.lp.g6--top--top-shinki_domo_d__html.htm?SESSIONISNEW=TRUEID&mi2=7749"]
オイシックスの本社では2018年1~2月向けの調理キットの試作が行われていました。
この日、新メニューの候補に上がったのは中華風肉味噌炒めと卵スープです。
オイシックスの調理キットの中でもさらに料理時間が短く10分で作れます。
開発スタッフは、
料理時間が2人前で9分45秒、3人前で10分30秒。もう30秒か1分削りたい。
こうした調理キットをきっかけに野菜の宅配を利用するお客様も増えているといいます。
このためオイシックスでは調理キットの開発に力を入れ毎週のように新商品を提供しています。
スーパー大手のイトーヨーカドーが生鮮食品の宅配や調理キットを強化すれば今後、競争は激しくなると見られますが、大熊拓夢広報室長は、
いろいろなプレーヤーが増えることによってネットや宅配で生鮮を買う体験をする方が増えていく。その中で当社を選んでいただくことが増えてくると思うので前向きにとらえている。
忙しい女性が増えているのでニーズは今後も継続して増えていくだろう。