輸出が好調です。今年4月の輸出額は1年前に比べて38%増えて、4月として過去最高となりました。
急増の要因は新型コロナから日常を取り戻しつつあり、景気が急回復しているアメリカや中国向けが増えたことです。
中国では意外な日本のものが人気となっていました。

株式会社イトーヨーカ堂
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夕方、中国・北京のスーパーマーケット「華糖ヨーカ堂」。

仕事帰りのお客様が立ち寄るのは日本酒のコーナー。若いお客様が次々と商品を手に取ります。
特に人気になのは…
北京支局の佐藤真人記者、
この部分、上から下まで全て獺祭で埋め尽くされています。

日本酒人気の火付け役となった獺祭。
飲みきれる少量のタイプから一升瓶まで揃っています。
今は自分で買えて便利だ。以前は友達に日本から持ってきてもらっていた。

現在ではお客様の好みも多様化してきているといいます。
華糖洋華堂商業有限公司の長田哲総経理、
だんだん裾野が広がり、全国各地の日本酒、手頃な価格の日本酒が売れるようになってきた。

日本の酒造メーカーは中国への渡航が制限される中でも消費者向けのオンラインイベントをはじめネット販売と組み合わせたPRを続けてきました。


中国では飲食店での会食に酒を持ち込む習慣があるため自宅で試した日本酒を会食用に購入するなどコロナを経て飲み方の幅が広がったといいます。

1-3月の日本酒の輸出額を見ると中国への輸出は1年前のおよそ3倍となり、コロナ前と比べても大きく上回っています。

アルコール度数が高い中国の白酒より日本酒のほうが健康的というイメージがある。

まだまだ売れると思う。

獺祭を製造する旭酒造は今年に入り、国内は緊急事態宣言の影響で前の年の8割ほどで推移しているものの輸出が好調なため売上全体は2割以上伸びているといいます。


旭酒造の桜井一宏社長、
トップバッターとして認知度があり、私どもに需要が集まった。

今回の伸びを見ると理由としてあると思う。

また冷蔵倉庫の建設に着手します。

安定的に生産・保管することで世界で需要が増える冬にも対応できるようになり、年間生産量を2~3割程度増やせると見込んでいます。

このまま海外が伸びて、国内が厳しいというのは年内は続くと思う。

国内が回復してほしいと本当に願うがそれができないのが現状。

そこはそこと受け止め次を考えていくしかない。

財務省が5月20日に発表した貿易統計速報によると4月の輸出額は4月として過去最高の7兆1,800億円あまりとなり、アメリカ向けの自動車などが好調でした。

中国向けも好調で世界的に需要が高まっている半導体の製造装置がおよそ2.3倍、金型などを作る工作機械などの金属加工機械が1.7倍に増えています。

工作機械のメーカーを訪ねました。

芝浦機械の坂元繁友社長、
受注が去年の1.5~2倍に回復。コロナ前の状況に戻った。

超精密の金型を作る機械。こちらが好調だった。

芝浦機械は大手工作機械メーカー。金属を削って金型を作る機械などを製造しています。

中国向けに好調だったのはスマートフォンのレンズ用のほか、自動運転の車のセンサー向けでも需要が伸びているといいます。

特殊な機械で制御が難しい。

高精度のものは日本の競争力がしばらくは強い。

日本が重要なポジションを占めている。そこは守っていけると思う。

一方、中国から輸入が増えているものもあります。

最近増えているものは中国から輸入されるEV(電気自動車)です。
今年1-3月まではおよそ30億円と1年前の48倍に増加。

その大半を占めていると見られるのがアメリカのEV大手テスラです。

こちらは販売が好調の主力車種のモデル3。

坂元透記者、
まず驚いたのが目の前にメーター類が一切ありません。

ハンドルの裏側、こちらがシフトレバー。こちらがウインカー、非常にシンプルなデザインになっています。

速度やナビゲーションはこのタッチディスプレイに表示されます。
モデル3は今年から出荷元をアメリカから中国・上海の工場に切り替え、価格も15%ほど値下げ。

現在、本体価格は434万円ですが、国や自治体の補助金制度を利用すれば最大で140万円ほどの補助が受けられるため実質290万円台で購入できます。

若い世代でテスラを選んでいる人が自分の周りにもいる。

その評判がよかったので来た。

国の補助金制度があるので手が届くような金額かなと。

上海工場で年間45万台の生産能力を持つテスラ。今後さらに日本市場への販売は加速していくと見られます。
