地域の頑張る企業を取り上げる「輝く!ニッポンのキラ星」。今回は兵庫からです。
コロナ後の課題といえばいかに人の密を避けるかですが、工場に新たな技術を持ち込んで国内外から注目を集める企業を取材しました。

伊東電機株式会社
[blogcard url="https://www.itohdenki.co.jp/"]
大阪のとある工場。

その倉庫の中にコロナ後に人気を呼んでいるあるシステムが…
パソコンをタッチすると荷物が運ばれてきました。

「この大きな機械は?」
サンユレックの久永直克生産部長、
QRコードを読んで自動で材料を提供してくれる装置。

こちらはオートパレラックという全自動の倉庫です。

3階建て、231個の棚をもつ巨大倉庫の中では荷物がコンベアで運ばれています。

バーコードやQRコードで荷物が管理され、どこにあるかがリアルタイムで確認することができます。


取り出す時はその荷物を指定するだけで自動で出庫を行います。

1人でできるので密にならない。

従来はいろいろな材料を探すために倉庫の中で大勢の人が探していた。

ポイントは省人化。従来の倉庫と違いパソコンで全てを管理しているので1人だけで入出庫ができます。

この全自動倉庫の省人化が話題を呼び国内だけでなく海外からも注文が相次いでいます。

兵庫県南部に位置する加西市。

古くからものづくりの町として知られています。
ここに全自動倉庫を開発した企業が。

1946年創業の伊東電機。従業員340人、売り上げは123億円に上ります。

全自動倉庫の核となる部品が、

コンベヤーに使われるパワーモーラ。

モーターを筒の中に入れて回転させることで物を運ぶ。

元々コンベヤーは外部にモーターが付いていた。

分散させて配置することで部品部品を駆動させることができる。

従来のコンベヤーは外側にモーターを設置し、ローラーをまとめて回転させていました。

一方、パワーモーラはローラー自体にモーターがあるのでブロックごとに動くや止まるなどの制御が可能。


このローラーを使い角度を変えられるものや方向転換など様々な機能を持った自動コンベヤーを開発しています。


これらの技術が全自動倉庫に使われています。
建屋に合わせた柔軟なレイアウトを構成できる。

後期の短縮・費用の節約にもつながる。

これまで工場のラインを変えるには多大なコストと期間が必要でした。

ところが伊東電機のコンベヤーは専門家なしでも従業員が簡単に動かすことが可能で設置から最短3日で工場を稼働できます。

このパワーモーラを元に新たな可能性を広げる伊東電機。創業当時は、
地元で三洋電機が創業して、モーターを供給する下請けをしていた。

その後、オイルショックの時に何か自社製品を持てないかと考えた。

得意とするモーター自動装置を利用し、パワーモーラが誕生した。

バブル景気に湧く当時、高性能とはいえ省人化という技術に目を向けるものはいませんでした。

転機となったのはその10年後。アメリカの郵便局から注文を受け、全米250ヵ所にシステムの導入が決定。それが話題となり大手ネット通販サイトなど国内でも導入が進み、現在コンベヤー駆動用モーターローラーとして世界シェア50%を占めています。



搬送業界に革命を与えた伊東電機、国や県から様々な賞を受賞しています。
そして今、工場で培った技術で新たな分野に乗り出しています。
イチゴにチャレンジしている。

次は植物の工場の自動化をしたい。

得意の搬送装置で移動させられる。

本社の実験施設では気温や昼夜を人工的に再現した空間を作り、イチゴの育てやすい環境を作っています。従来の植物工場は光の調整や給水の際に人手が必要でしたが、コンベヤーを使うことで無人化を実現。



苗を入れてから収穫までをこなす自動栽培工場を目指して研究が続いています。

さらに、
パワーモーラの技術を使えば無人化配送センターができると考えてその開発を目指している。
