シリーズ「ケーザイのナゼ?」。
今回は飲料についてです。
2020年の清涼飲料水市場は家庭での需要が増えましたが外出の機会が減ったため全体としては縮小しました。
そんな中、あるタイプの飲料が急成長しています。一体どんな商品なのか取材しました。

株式会社伊藤園
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都内のスーパー「ベニースーパー佐野店」を訪ねると…

ずらりと並んだお茶やジュースなどの横にちょっと見慣れない缶が。

「1本で2L分」と書かれています。

ベニースーパー本部の本部長、赤津友弥さん。
昨年あたりから出てきてお客様からも注目されている。

実はこちらは水で薄める濃縮タイプの飲料。

水で薄めて飲む飲料といえばカルピスを思い浮かべる人が多いと思いますが…

今、緑茶にウーロン茶、麦茶にコーヒー、紅茶、そして機能性飲料など濃縮タイプが続々と登場。
その市場規模は19年と比べ2割以上拡大しました。

一体ナゼ?

お茶のトップシェアを誇る伊藤園を訪ねました。

「おーいお茶」の発売から32年。去年、初めて濃縮タイプを発売しました。

一体ナゼなのでしょうか?

伊藤園のマーケティング本部、安田哲哉さん。
特徴の一つは持ち運びが楽。

2Lのペットボトル6本分を持ち帰るのは大変ですが、濃縮缶なら2Lのペットボトル6本分を6缶で作ることができます。

先程のスーパーでも買い物客からはこんな声が…

子供がいるので大きいのが1本。通勤用に小さいペットボトルが2~3本。

重たい。すごく重い。

2点目の特徴は簡単、手軽にすぐ作れる。

180gの1缶を水に注ぐだけで好みの濃さに合わせた1L~2Lのお茶に。

水出しや煮出すより簡単で短時間で済むことに加え、コロナ禍で買い置きが増える中、省スペースで収納できることから新たな需要を掴みました。


もう1社、サントリーを訪ねました。濃縮タイプの飲料は売れているのでしょうか。

サントリー食品インターナショナルのジャパン事業本部、金井映実さん。
19年と比べると20年は約4割増の販売。

その商品がコーヒーの濃縮飲料「ボス カフェベース」です。

水で割ればブラックコーヒー、牛乳で割ればカフェラテ。一体ナゼ売れているのでしょうか?

1本で10杯分。1杯30円でコーヒーが飲める経済性。

濃縮飲料は経済的!?

新商品の投入でさらなる販売拡大を狙います。
生活様式の変化で飲料の新たな需要が生まれる中、これまでにないタイプの飲料も搭乗しています。

日本コカ・コーラが今年開発した新ジャンルの飲料とは?

それがこちらの商品ということですが…
紙のパッケージの中にはサイコロのような四角いものが。これが飲み物?

日本コカ・コーラのマーケティング本部、三瀬浩之さん。
キューブ1粒をグラスに入れるだけで簡単においしい飲み物ができる。

実はこちらはフリーズドライ飲料。キューブを水やお湯に入れるとあっという間に溶けていきます。

味は麦茶、緑茶、コーヒーの3種類。

水筒に1粒入れて持ち歩くというニーズもあるといいます。
一体ナゼ、新しいジャンルの飲み物を開発したのでしょうか?

家庭ゴミを減らせるパッケージ。

素材に紙を使用することでCO2排出量を削減することができる。

場所も取らず、ゴミも減らせる新たなジャンルの飲料。

在宅時間が増え、生活様式が変わりつつある今、長年変わることのなかった飲料の常識も変わり始めています。
