儲かるお茶ビジネス お茶No.1会社
大ピンチ茶畑を土木のプロと救う
儲かるお茶ビジネス。

まず訪ねたのは日本のお茶ビジネスの王様。

東京・渋谷区本町に本社がある伊藤園。

伊藤園の社と申します。

がっちりポーズを決めてくれたこちらの社三雄専務。あおの「お~いお茶」を作ったスゴい人!

お~いお茶といえば1989年発売のペットボトルのお茶の元祖。

累計販売本数370億本とまさに業界の大エースです。

お~い!お茶!

お~いとおっしゃって頂ければ伊藤園の人ならたいていはお茶と返ってくると思います。

今や世界で一番売れてるお茶として4年連続ギネス認定されているお~いお茶ですが、発売開始当初はなんでそんなものを売り出すんだ?と業界でも驚きの目で見られていたそう。


発売当初は売れると誰も信じなかった。

砂糖が入らない飲料なんて…

「売れると思ってなかった?」

当時は全然…

今では体脂肪を減らすお茶など次々と新商品を発売し続け、お~いお茶の勢いは止まりません!!

で、「お~いお茶」といえばパッケージにある俳句大賞ということでここで一句。

「専務に聞いた話で…」

お~いお茶 いつもいつでも 進化する

さて、そんな伊藤園のお~いお茶には儲かるお茶であり続けるために守り続けている一つの絶対的なルールがあるという。

お~いお茶に限らず、ずっと国産のお茶を使ってる。

国産のお茶にこだわってます。

そう、お茶っ葉は全部国内産。

日本の美味しい自然なままのお茶を飲んでほしいというポリシーのもと決めたルールだそうで、確かによく見ると小さく書いてあった。

「もっと大きく書いても…」

いや~でも。

当たり前と私たちは考えていますので。

しかし今、伊藤園にとってはとっても大事なこのルールを大きく揺るがす大問題が起きているという。

生産者の方がどんどん減ってる。

高齢化の問題が一番大きいと思うんですけど。

お茶の生産量としては増えるどころか減っている。

そう、お茶農家が減っている問題。

日本国内でのお茶飲料の生産量がここ数年グイグイ伸びているのにも関わらず、国内のお茶農家は高齢化でどんどん減っている。これは国内茶葉でお茶を作っている伊藤園さんにとっては死活問題。

そこでこの大問題を解決すべく伊藤園ではいま壮大なプロジェクトを立ち上げているという。

というわけでやって来たのは大分県。

「のどかな茶畑。」

「あの方ですかね?」

「お~い!」

お~い!

「お茶…」

伊藤園 農業技術武の中込です。

あれ、「お茶」の返事はなかったけど伊藤園さん、ここで自らお茶の栽培をしているんですか?

「ここでどういう事やっているんですか?」

中込健介さん。
茶産地育成事業をやっています。

産地の方と協力して畑を作っています。

伊藤園さんが考えたのは放ったらかしになっていた耕作放棄地を新たな茶畑にするというもの。

しかもここで実際にお茶を作る人が独特。

お~い!

お~い!

碑成園の遠嶋といいます。

社長の遠嶋ひとみ。家内です。

「奥様が社長という事は?」

私は旦那という事です。

「会長ですよ。」
会長…

「そんな面白くなかったですよ。」

「がっちりですか?」

がっちり!

愉快な遠嶋幸弘会長ですが、実は元々お茶とは何の関係もない仕事をしていたという。

それまでは土木建設業の会社を主にやっていました。

そう、伊藤園さんのこのプロジェクト、茶畑になりそうな山間の耕作放棄地を見つけたら近所でやってくれそうな人を見つけて茶畑農家になってもらう。

で、やってもらうにはなぜか「土木建設業」の方がぴったりなんだとか。というのも…

秋と冬が土木建設業は忙しい。春と夏に忙しいお茶の仕事はいい。

土木建設業は夏枯れといって秋冬が終わったら春夏が暇な事が多い。

逆にお茶農家は新茶の時期になる4~5月が超忙しい繁忙期!

つまりお茶作りと建設業は掛け持ちしやすいお仕事なんです。

今は兼業でお茶農家をやっている遠嶋ご夫婦ですが、お茶農家として最初のお仕事は耕作放棄地から茶畑を作ることだったそう。


「一から?」
はい、そうです。

「スゴいですね。」

土木建設会社という事で造成の方は。
「活きるんだ!その力が。」

ありがたい事に作業員はいますので。

そう、茶畑は主に山の斜面にあるので土地の造成が大変!

斜面を崩れないように補強したり、排水路を作ったり。

でも、こうした作業、土木建設業の人なら大得意ってワケ!

そしてお茶の栽培に関しては土の作り方、茶葉の育て方、天気による収穫のタイミングまで一つ一つ伊藤園の社員さんがサポート。

遠嶋会長の会社のスケジュールを見てみると…

今では茶畑のスケジュールの方がびっしり。

お茶の作業内容。

「こんなにあるんですか?」

忘れないように書いている。

「カツオって何ですか?」
液体のような肥料。

「魚のカツオ?」

栄養たっぷりです。

「リッパーは何ですか?」

土をほぐして、お茶の根っこを切っていく。

こうして今ではリッパな茶畑農家になっている遠嶋会長。さらに伊藤園に感謝している事が…

全量の買取という安心感。

そう、茶葉は全部買取を約束してくれるから安心して茶畑農家を始められる。

今では後継者の息子さんも…

碑成園の遠嶋碑路樹さん。
お茶の仕事の方が僕は好き。

こうした新産地事業の茶畑は今や全国2,207ヘクタールで東京ドーム470個分。

がっちりと美味しいお茶を作っています。

伊藤園は茶畑作ってがっちり!
