中国から感染が広がった新型コロナウイルスですが、いま感染者数が急増し新たなホットスポットとなっているのがイタリアです。
中国とイタリアでは感染拡大を招く意外な接点がありました。

イタリア
観光名所「コロッセオ」からも、運河からも、オフィス街からも人の賑わいが消えました。

唯一見かけるのが消毒液を撒く作業員。

こちらは街を行く路面列車。無人のまま虚しく走ります。

人々はマスク越しに愛を確かめます。

人だかりができている場所がありました。

実はここは刑務所です。

受刑者が感染しないよう家族との面会を禁止にしたことで家族、そして受刑者が猛抗議しているのです。

感染が急拡大しているイタリア。日々確認される新たな感染者数は各国と比べても突出しています。

株式市場でもイタリアはこの2週間で3割も落ち込みました。

こちらは日本に暮らし、イタリア料理店を営むエリオ・オルサーラさん。祖国の現状を心配します。

今はみんなパニックになっている。

2週間前、マスクを家族に送ったら「マスクはしないよ。日本人じゃないんだから」と。

今はみんなマスクをしている。

イタリアはなぜここまで深刻な事態となったのでしょうか?
イタリア急増のワケ① 「中国と深いつながり」

イタリア経済を支える高級ファッションブランド。

こうした店も軒並み閉まっています。

こちらはイタリア国内にある高級ブランドの製造現場。2016年に取材した映像です。

そこに映っていたのは中国人労働者です。

経済が低迷していたイタリア。その立て直しのために人や物の交流を深めたのは経済成長を続けていた中国です。

中国が進める経済構想「一帯一路」にもG7の中で唯一参加しています。

中国からイタリアへの投資はこの5年間で10倍近くに。

しかし、交流の多さが中国発症のコロナウイルスのイタリアでの蔓延につながったとの見方があります。
イタリア急増のワケ② 「病院が足りない」

病院の消毒液も在庫がなくなっている。

一つだけ言いたい。私たちはひとつです。一緒にウイルスと戦っていきましょう。

悲惨な現状を訴えるのは病院の看護師です。

イタリアはウイルス検査をしている人数が多く陽性患者が病院に押しかけています。

これに医療費削減のため国として病院の数を減らしていたことが重なり病院不足に。

病院に入れなかった患者は屋外に作られたテント型の病室や仮設のベッドで回復を待ちます。

この結果、新型コロナによるイタリア国内の死者数は突出し、累計で1,000人を超えました。