今回の「ケーザイのナゼ」は色とりどりの模様がついたガラス製品。懐かしく感じる方もいるかも知れません。
昭和の食卓でよく見られたというプリントグラスですが、こちらは昭和当時の商品ではなく復刻されて新たに発売された商品です。
実は今、こうした昭和レトロが若者から人気を集めていて、消費の新たなトレンドになりつつあります。
一体ナゼなのか直撃リサーチしました。
石塚硝子株式会社
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昭和61年に誕生した喫茶店「喫茶 gion」。
ステンドグラスを使ったランプなどマスターが集めた調度品が所狭しと並びます。
店内で目立つのは20代の若い女性の姿。
スマホで撮影していたのはクリームソーダです。
こちらのお客様のテーブルにも…
クリームソーダは映画とかドラマでよく出てくるので憧れの食べ物みたいな感じ。
あると嬉しくなって頼んでしまう。
こちらの店では2年ほど前からクリームソーダを求める若い女性客が急増。コロナの影響で現在は客足が鈍るものの一昨年オープン以来最高の売り上げを記録しました。
喫茶gionのマスター、関口宗良さん。
20~30代前半の女性で満席になるのは初めての経験。
以前は1~2人が多かったが若い女性は2~4人で来てくれる。
売り上げ的にもありがたい。
実は今、こうした純喫茶やクリームソーダなど昭和レトロが若い世代で流行しているのです。一体ナゼなのでしょうか?
平成生まれだが懐かしい感じがする。
レトロがかわいい。
懐かしくかわいい、そうした若者の消費を取り込んだ会社があります。
創業200年を超える石塚硝子。2018年に販売を始めたのがガラス製品「アデリアレトロシリーズ」。
石塚硝子の川島健太郎さん。
実際に昭和40~50年代に販売していた商品の復刻版。
シリーズ全体で発売から52万個発売している。
一般の商品は数万個で大ヒットという業界だが桁違いに好評。
ナゼ昭和のデザインを復刻したのでしょうか?
企画したのは20代の女性社員。廃番になった自社製品がインスタグラムで話題になっていることに気付き提案したといいます。
われわれのX世代(40~50代)と違ったとらえ方で若い女性社員に映って「すごく新鮮だからいま受けるのではないか」と。
しかし、復刻しようにも社内に当時の製品はほとんどなく、デザインのデータがありませんでした。
そこでアンティークショップから買い戻したほか、カタログなどからデザインを再現。果物や花など昔懐かしい柄のプリントガラスが復活しました。
歴代の柄をすべて見てみたい!
レトロ可愛い。
全種購入します!
お客様の8割程度が20~40代女性。
昭和を知らない若者の目には新鮮で新しいものに映っているようです。
言葉で表現するとAE消費。アナログエモーショナルな消費。
アナログ感のあるものになんとなく心揺さぶられる。
ものだけでなく昭和の時間で勝負に出たテーマパークがあります。
今年5月に大規模リニューアルした西武園ゆうえんちです。
特徴的なのが…
2人?ここ入って。
予告なしで突如始まるショーやパフォーマンス。入場客を巻き込む参加型です。町並みを眺めて楽しむだけでなく、昭和の世界観に入り込む仕掛け作りにこだわりました。
ナゼ参加型なのでしょうか?
西武園ゆうえんちの藤井拓巳社長。
人間関係が希薄だったりデジタル化の中で人とのふれあいを求めている人が多く、当時を知らない人でも非日常の新しい感覚を感じとれているのではないか。
リニューアル後は狙い通り20~30代の若い世代が入場客の多くを占めるといいます。
実際の昭和はどうなのか分からないが昔はこんな感じだったのかなと。
タイムスリップしたみたいな。
テレビで見た光景をそのまま体験している感じ。
昭和の中に入り込んだ感じでとても楽しい。
デジタル化が加速する令和の時代だからこそアナログを楽しむ昭和レトロが新たな消費のカギを握るかもしれません。