地域で奮闘する企業を取り上げる「輝く!ニッポンのキラ星」。
今回は石川県の樹脂製品メーカーが登場します。プラスチックの可能性を広げようと新たな挑戦を始めています。
石川樹脂工業株式会社
[blogcard url="https://www.ishikawajyushi.net/"]
大手外食チェーン「サイゼリヤ」。
ここで使われるグラス類は全てプラスチック製です。
「なぜプラスチックを使っている?」
サイゼリヤの購買部バイヤー、米田和司さん、
ガラスに比べて軟らかく割れにくくロスが少ないので環境問題に貢献する。
プラスチックだがトライタンという素材。
割れた報告は一件もない。
トライタン(Tritan™)という新素材を使ったプラスチック容器はガラスのように透明度がありますが耐熱性に優れ、割れにくく、普通のプラスチックでは使えない食洗機も使用可能です。
2018年からサイゼリヤ全店で導入されています。
石川県南西部、加賀市。
山中塗などの漆器や焼き物に始まり、現在も製造業が盛んな町として知られています。
この地に新たなプラスチック容器を作る企業が…
1947年に創業した石川樹脂工業、従業員90人で、売上高は17億円に上ります。
外食産業向けの食器や厨房用品、変わったところでは仏具やマンホールも作っています。
これがトライタン。
トライタンは医療用器具を製造するアメリカ企業が開発した合成樹脂。
医療機器や幼児向け用品にも使われる安全性が高い新素材として注目されています。
石川樹脂工業の石川勤専務、
環境問題に取り組まないと会社としての存在意義がない。
環境問題に正面から取り組む思いで商品づくりを行っている。
石川樹脂工業、創業時は木製の漆器を作っていました。
そこで培った成形技術を生かして樹脂製品づくりにシフト。
プラスチックはブランディング面で安物というイメージがついていた。
そこを払拭することから始めた。
元P&Gの社員だった石川さん。
2016年に専務取締役として入社。
金沢市のデザイン会社とタッグを組み、デザインの変更に着手。
トライタンを使ったタンブラーを開発しました。
縁元が波型に揺らいだ独特のデザインがプラスチックの大量生産のイメージを覆し、主力製品に。
また技術力を生かし、一つの製品に厚い部分と薄い部分を作ることで高いデザイン性を実現しました。
さらに、
ARASを作っています。
去年、新ブランド「ARAS(エイラス)」を発売。
ARASはトライタンにガラスを加えたプラスチック製品。
プラスチックには見えない陶器のようなデザインが人気を呼んでいます。
1,000回落としても割れない。
環境負荷・リサイクルを考えて回収のしやすさやコストの安さを設計。
星野リゾートが展開するホテルの客室に置くペットボトルに代わる容器としても採用され、発売から1年でおよそ4万点が出荷されるヒット商品に。
そして現在、サイゼリヤと新たな取り組みに。
傷ついたり、使えなくなるのが何%か出る。
石川樹脂工業に戻してリサイクルして、別の商品として購入するサイクルを回す。
グラス類を伝票入れにリサイクルする取り組みが始まり、プラスチックの使い捨てという印象を変えようとしています。
日々進化を続ける素材だからこそ将来にどうやって残せるかがテーマ。
反骨心を持ち、プラスチックだからできる進化・イノベーションに取り組みたい。