シリーズ「ケーザイのナゼ?」。日本人が大好きなラーメンですが「はやし田」や「ます田」のように似た名前のラーメン店がいま続々と増えています。一体ナゼなのでしょうか?
"有名店にそっくり"なぜ増加?
東京・新宿。路地裏で行列を作っているのはいま大人気の「らぁ麺 はやし田」。
お客さんのお目当ては「特製醤油らぁ麺」。値段は1,050円です。大山どりと鴨を使ったスープはコクが合ってまろやか。チャーシューは鶏と豚の2種類。その横には大きな穂先メンマ。
この1杯を味わうため1日平均450人が店を訪れます。
お客さん
新宿で一番おいしい。
そんなはやし田の人気にあやかってか、街を歩くと「ふじ田」、はやし田と似たような名前で、しかもメニューもそっくり。
こちらは「さわ田」。やはりラーメンも同じ。
いま人気のはやし田と同じような名前でお客さんを集めるラーメン店が次々とオープンしているんです。ナゼなのでしょうか?
東京・練馬区にある「中華そば ます田」。もしやここも、いま人気のはやし田をマネた店なのでは?
それを確かめてもらうため、はやし田を運営するINGSの塚本さんに聞いてみると…
INGS
ラーメン事業部
塚本一宏部長
こちらの「ます田」は「はやし田」のチェーン店なので店の名前が似ている。
隠れチェーン店が続々オープン
えっ、チェーン店だったんですか!なるほど、だからラーメンもそっくりなんですね。
なぜ 人気店の看板を変えるの?
でも、なぜ人気店の看板をわざわざ変える必要があるのでしょうか?
INGS
ラーメン事業部
塚本一宏部長
個人店のように見せた方がよりお客様にこだわりの強いラーメンだと感じてもらえる。
個人店のように見せることでどんな味なのかとお客さんの興味を引けるといいます。
お客さん
個人店はそこにしかない味だと思うので場所によっては立ち寄ってしまう。
これまではやし田は都心で展開してきましたがコロナ禍で売り上げが減り、郊外にチェーン展開をする戦略に転換。
そこでラーメンチェーンなのに個人店のように見せる隠れチェーン店を始めたのです。
そんな隠れチェーン店を140店舗も展開しているのがテイクユーの大澤武社長です。
テイクユー
大澤武社長
弊社で取り扱っているラーメンの食材の数々。
鶏、豚、魚系ですね。
鯛やオマール海老などスープだけで40種類以上。麺は100種類以上。組み合わせを変えるだけで1,000通り以上のラーメンができるといいます。
なぜ こんなに必要なのか?
なぜ、こんなに作る必要があるのでしょうか。
テイクユー
大澤武社長
お客様のレベルが高くなって、賢くなって、いろいろなラーメンを食べている。
ラーメン店もお客様がより驚くような新しいラーメンを作ろうと考える。
ラーメンを知り尽くしたお客さんを飽きさせないため、この会社は140のチェーン店1軒1軒味を変えているのです。
そんなテイクユーの仕組みを利用した隠れチェーン店が全国に広がっています。
「貝・刺身専門店 新橋しのはら」は貝が自慢の居酒屋。コロナで客足の回復が見通せない中、ランチで少しでも売り上げを確保しようとラーメンの提供を始めたのです。
貝専門の居酒屋が作るラーメンとは…
取り出したのはテイクユーの本部から届いた冷凍のスープ。
新橋しのはら
三輪允さん
貝スープですね。
スープは鍋で温めるだけ。麺や具材などもテイクユーから送られてきます。
ラーメン職人でなくても簡単に絶品ラーメンが作れるのです。
新橋しのはら
三輪允さん
貝だし塩ラーメンです。
テイクユーが貝専門店に合わせて開発した「貝出汁塩らぁー麺」。本格的なラーメンが簡単なオペレーションで作れるので居酒屋でも提供が可能に。
プロデュース料のほか、テイクユーから食材を購入すればラーメン店が開業できるのです。
新橋しのはら
三輪允さん
誰でもできる仕組みをつくっていただいているのでありがたい。
この店ではランチタイムに1日50杯売れるほどの人気ぶり。
お客さん
しっかり貝のだしが出ていておいしかった。
お客さん
ラーメン屋さんだと思っていた。
まるで個人店のような隠れチェーン店があなたの町にもあるかもしれません。