IKEA
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8月23日、都内で行われたイケア・ジャパンの事業戦略発表会。
そこで8月1日に就任したヘレン・フォン・ライス社長が口にしたのは、6月以降から続いている商品回収についてでした。
品質は最重要事項。深刻に受け止めて消費者に真摯に対応したい。回収商品についてはスウェーデンの本部などで原因究明を急いでいる。
チョコレート、乳幼児用の安全柵、調理器具と様々な商品の回収が続くイケア。
そんな中、日本進出10周年という節目の年を迎えることになります。
そこで立て直しを図るべく掲げた新戦略は
世界中の異なるライフスタイルを理解しようという試みを行っていく。
意識調査
イケア・ジャパンでは、東京やニューヨーク、ロンドンなど世界13都市を対象に「家」をテーマとした意識調査を実施。
それをもとに日本にニーズに合った家具を提案していこうというのです。
「家で自由な時間を誰と過ごしたかいか」と聞いたところ、東京では1人で過ごしたいと回答した人が53%と多く、世界平均の25%の2倍に達しました。
また「家の中の物を減らしたいか」という質問にたいして56%の人が減らしたいと回答しました。
収納に悩む人が少ないくないことが浮き彫りになりました。
日本人のこれらの悩みをイケアは解決できるのでしょうか?
日本家庭を徹底調査
イケア・ジャパンのインテリアデザイナー、阿部亜季さん。
この日、訪問したのは都内の3LDKの部屋に住む澤村美那子さんのお宅です。
朝起きてから寝るまでの行動を簡単に。
実はイケアでは定期的に個人宅を訪問し、部屋の悩みなど聞き取り調査をしているのです。
何に困っているのか、本当に必要なものが何かを知りたい。
結婚4年目の澤村美那子さんは共働きで2歳になる子供と3人暮らしです。
リビングは14畳と6畳の部屋を合わせて使っています。
リモコンの収納に悩んでいる。
普段はどこに?
こういうところにしまっている。
悩みは収納スペースの少なさ。
子供のおもちゃなど、これ以上モノが増えたら困るといいます。
さらに、
フレキシブルに組み合わせられるソファだと良い?
阿部亜季さんが注目したのが夫婦のソファの使い方でした。
子供が寝てから夫婦で読書をしたり、パソコンをするときは旦那はソファ、私はこのクッションという距離感。
2人掛けのソファがありますが。実際には別々に座ることが多いといいます。
デジタルなものが発達して、同じ部屋で別のことをする夫婦が多い。でも、一緒にいることを共有する流れになってきている。
マイクロリビング
家族がいても「1人の時間が欲しい」「収納スペースが少なくて困る」、そんな日本人の悩みを解決するために今回、イケアが提案したのがマイクロリビングです。
限られたスペースを有効活用できる新しい家具です。
新商品の一人掛けソファ「シートモジュール背もたれ付き」。
下の収納を引き出すとベッドにもなります。
このソファには別の使い方もあります。
お互いが全然違う方向を向いている。これはどうして?
イケア・ジャパンのインテリアデザイナー、竹川倫恵子さんによると、
横並びにして並べることはできるが、あえてこうしたのは、それぞれの時間を使う。例えば旦那さんはこちらに座ってパソコンをしたり、一緒にいてもそれぞれのことができる。
一人掛けソファを組み合わせることで、並べても使えます。
座る向きを変えるだけでちょっとした個人のスペースを作れます。
仕切りにもなる背もたれ部分は高さを変えることもできます。
顔を見合わせながらではないが、会話はできる。
さらに部屋のいたるところにあるキャビネット。
空いているスペースに自由に収納を置けるようにしたのです。
ばらばらに個性に合わせて使える。
一つ一つのキャビネットがあまり大きくない、これもポイント?
大きな家具をひとつではなく、サイズのちょうどいいものをスペースに合わせて使える。
自由自在に組み合わせるソファや収納で日本人特有の住まいの悩みを解決したいイケア。
伸び悩む日本市場にも成長の余地はあると見ています。
ヘレン・フォン・ライス社長
出店計画を増やすことで成長していける。
日本市場を生き抜くために必要な家具とは?
機能、デザイン、低価格、耐久性があって高品質。五つの要素を備えた商品が生き残る。