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[WBS]飯田GHD ロシア企業を買収!「ウッドショック」回避へ[飯田グループホールディングス株式会社]

2021年12月8日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

住宅大手の飯田グループホールディングスは12月8日にロシア最大級の木材企業を買収したと発表しました。投資額はおよそ600億円で広大な山林の伐採権を獲得します。

木材価格が世界的に高騰し、住宅の着工が遅れるウッドショックが問題になっていますが、今回の買収で木材を安定的に調達できるようになるのでしょうか?

長期化する「ウッドショック」!存在感放つロシア木材

都内にある戸建住宅の建築現場。すでに柱などが組み立てられていました。

建築するのは年間4万6,000戸を手掛ける戸建住宅大手の飯田グループ。

いま使っている木材は…

飯田グループの建築現場担当者。

いま見えるこちらの柱に関してはロシア産のもの。

太いはりに関してもロシア産。

これまで多かったのはヨーロッパ産などの木材でしたが…

ウッドショック以降、ロシア産が増えている。

寸法に狂いがなく、加工しやすくなっている。

寒冷な環境で育つロシア産の木材は成長速度が遅い分、年輪が細かく詰まっているため強度が高く、品質が高いとされています。

飯田グループがロシア産の木材に注目したきっかけのひとつが住宅業界を襲ったウッドショック。

新型コロナの影響で在宅勤務などが増えたため、アメリカなどで住宅の新築需要が高まり、世界的な木材不足に見舞われています。

日本でも10月の木材価格は1月に比べて1.6倍に高騰。

ただ飯田グループでは…

価格が上がり日本に入らなかった時期もあった。

現状としては問題なく、いい木材が入ってきている。

ロシア産の木材に注目し、安定供給を目指す飯田グループ。

12月8日に会見で発表したのが…

飯田グループホールディングスの森和彦名誉会長。

ロシア法人の経営権を取得して、ロシア政府から正式に許認可を受けた。

「ウッドショック」影響を最小限に…住宅大手が挑むロシア戦略

600億円を投じて買収したのはロシアの大手木材企業「RFPグループ」。

極東ロシアのハバロフスクを拠点とする企業で広大な森林を保有しています。

買収によっておよそ400万ヘクタールの伐採権を獲得。九州地方とほぼ同じ広さで年間の原木伐採量は170万立方メートルに上ります。

国内の住宅メーカーの森林取得では過去最大だといいます。

これに先立ち現地に木材加工工場を整備。

これまで木材の輸入にはヨーロッパ産でおよそ2ヵ月、北米産では2~3週間かかっていましたが、この工場からならわずか2~3日で日本に木材が届きます。

飯田グループホールディングスの富島寛常務執行役員。

基本的には供給がタイトな状況がグローバルに続いていくと思う。

至近距離に良質な木材がありながら十分に利用できていない。

日本だけでなく距離が近い中国や韓国への販路拡大も狙う飯田グループ。広大な森林が吸収するCO2にも着目しています。

950万トンのCO2を吸収する森を保持することは紛れもなく環境への貢献。

投資には意味があると思う。

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