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[WBS] ICO=仮想通貨で資金集め!企業も投資家も注目のワケ!

2017年12月22日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

ビットコインの2017年の値動き、12月に200万円を突破して1年間で約20倍という急激な値上がりが世間を驚かせました。

こうした急成長に企業も注目し新たな資金調達方法としてこの仮想通貨が利用されています。

それが「ICO(Initial Coin Offering)」です。

これまでも番組で何度か取り上げていますが、改めて仕組みを確認しておきます。

まず資金を集めたい企業はトークンという独自の仮想通貨を作ります。

そして起業家が気に入った企業のトークンを仮想通貨を使って購入します。

この購入したトークンは企業の事業が成功すれば価値が上がることもあり、それを売ることで投資家は利益を得ることができます。

仮想通貨の価値は2017年に急激に値上がりを見せていることで、株式を発行するよりもICOの方が資金を集めやすい判断している企業も増えています。

企業、投資家共に熱を帯びているという状況ですが、活気を見せるICOの舞台裏を取材しました。

ICO投資

東京・恵比寿。

平日にも関わらず続々と人が集まってきます。狭い会場はあっという間に満席に。

Token News HKの杉浦有哉社長は、

ICOは10個投資して1個が当たれば100倍とかになる。分散的にICOに投資すれば、あまり何も考えなくても儲かるのではないか。

これはICOへの投資に興味を持つ人に向けたセミナーです。

世界中で日々公開されるICOの中からどのように投資先を選ぶべきなどが議論されました。

名古屋で看護師をしている女性、兒島菜月さん(21歳)は、

教えてもらいながら「OmiseGO」というICOを買った。今年の夏に買ったときよりは2倍、3倍に増えている。

伊藤健次さん

参加者の1人、投資家の伊藤健次さん、今年から積極的にICOへの投資を行っています。

これは使っている海外の取引所。このアカウント(取引所)で1,200万円くらい投資している。

「他のアカウントを合わせると?」

資産は1億円ちょっとくらいになる。

1年前に200万円を投資したという伊藤さん、ICOを中心に投資を続けた結果、資産は1億円を超えました。

会社は辞めてしまった。短いスパンでブームになったので、これに乗り遅れたらもったいない。

ビットコインなどの一般的な仮想通貨は流通量は多いものの発行者が存在しない、いわば実態のない通貨です。

これに対しICOへの投資は発行者が実態のある企業という点も魅力の一つだといいます。

ビットコインは実態のないものをやっている怖さが僕らにもあるので。ICOになれば企業がしっかりしていますし、プロジェクト自体が応援したくなるようなものがあるので、それに対して初期投資をしている形。

Filecoin

[blogcard url="https://filecoin.io/"]

仮想通貨市場が急拡大した2017年、仮想通貨で資金を集めるICOを行う企業も急増しています。

オンラインのストレージサービスを手掛けるアメリカの企業はICOで約300億円を集め話題となりました。

大澤昇平氏

企業にとっても有効な資金調達の手段となっているICO].

日本国内でも動き始めた人がいます。

向かったのは六本木にあるミッドタウン。

Daisyの大澤昇平CEOは、

今回、AIベンチャーを立ち上げようとしている。小売りの需要予測や金融の株価予測に応用できる。

8月にAI(人工知能)を使った会社を立ち上げた大澤さん。

技術者を集めたり開発に充てたりする資金の調達が最大の課題。

今回、ICOで資金調達をすることを決め、その準備作業を支援する会社を訪れました。

30億円くらいの資金調達を考えている。

AnypayのICOコンサルティング事業責任者の山田悠太郎さんは、

いかに数ある草コイン(安いコイン)の中から、ビットコインを持つ人が短期的に大きな収益を狙うために選ぶコインになるかが重要。

仮想通貨を持つ人の中にはIT技術の知識が豊富な人も多く、IT企業にとっては株式公開よりも資金を集めやすいといいます。

大澤さんは、

従来の調達方法と比べて技術を評価してもらえるのでICOを選んだ。ICOは海外からポンとお金が集まる。他の方法の10倍以上の集まりやすさがある。

リスク

過熱するICO。

しかし投資家にとって高い利益を期待できる一方でリスクも大きいといいます。

実際、実態のない事業をするとしてICOで資金を集め詐欺の疑いで摘発されたケースも出てきています。

仮想通貨市場を監視する金融庁の幹部、総括審議官の佐々木清隆氏がWBSの取材に応じました。

ICOの前提となる事業計画が実現しないとか、場合によっては詐欺だとか、投資家保護の枠組みが十分整備されていないというリスクがある。

中国など国によっては全面的に取引禁止となっているICO。

日本も今後規制を強化することになるのでしょうか。

法規制の前に業界団体の自主規制、マーケットの規律の方が有効で迅速に対応できる。金融庁としては仮想通貨やICOなど金融のイノベーションを促進するのが大事だと思うが、投資家保護の担保もされる必要があるので、そのバランスをとる。

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