投資トラブルについてのニュース。
あるセミナーの参加者のか映像を入手しました。
毎日3万円、月90万円。こんな夢のような話はない。今まで努力してきた人、苦労してきた人に教えてあげてください。
こちらはある投資セミナーの様子です。300万円を投資すれば1日3万円、月に90万円の配当がもらえるといっています。
かなりびっくりするような高い利回りです。
このような通常では考えられない高い利回りを謳う「HYIP(High Yeild Investment Program(超高金利回り投資))」と呼ばれる投資をめぐって出資したお金が戻ってこないというトラブルが続出しています。
なぜトラブルが広まっているのか、知られざる超高配当投資の実態に迫りました。
HYIP
高配当な投資「HYIP」を知っているか街で聞いてみると、
聞いたことある。投資ということぐらい。
インターネットで広告が出ているので見た。
もしかしたら引っかかるかもしれない。おいしい話があると乗りたくなる。本当かなと思って乗る気持ちは分からなくもない。
実はHYIPは若い人たちを中心に広がりを見せているといいます。
北海道に住む30代のSさん(30代・会社員)。HYIPを知ったきっかけは飲み友達から送られてきたメールでした。
明日毎週配当貰える資産運用の話聞けるから
よかったらぜひ~
おつかれさまです!
その資産運用の話って掛金みたいなのいくらからですかー?
お疲れですー!
1口26万で翌週から1年間毎週配当2万くらい出るので26万が1年後100万近くなるやつですねー。
投資トラブルの被害を訴えるSさん、
飲み友達にセミナーを紹介されて、セミナー終わってから説明にプラスする感じで上の人が来た。
そこで誘われたのが「D9クラブ」というブラジルの会社への投資です。1日あたり2%、年利でいえば700%以上という超高配当を謳っていました。
つまり100万円を投資すると1年後に800万円になるという計算です。
こうした言葉に乗せられたSさんは約50万円を投資。しかし半年経ったいまも配当は一度もなく、元本すら戻ってきていません。
配当が一向に入ってこない。投資と紹介されてお金を出したので配当が入ってこないとなると、騙されたんじゃないかという気持ち。
D9クラブ
このD9クラブへの投資の呼びかけは複数の勧誘グループが行っていたとみられています。
そしてSさんは友人から何度も投資を勧誘されたといいます。
そのワケは…。
実は出資者を多く勧誘するとポイントが獲得できて、それによって高級腕時計や乗用車などがプレゼントされるとパンフレットで謳っていたのです。
典型的なマルチ商法の手法で友人関係をツテに出資者がどんどん広がっていきました。
あおい法律事務所
[blogcard url="http://aoi-law.com/"]
Sさんはある弁護士事務所に相談。
実はD9クラブへの投資で被害を訴える人は全国で相次いでいました。
被害は振り込みだけで約1,880万円。全財産なのですごく苦しい。
今回、結成された被害対策弁護団の代表を務める荒井哲朗弁護士、過去に1,000件以上、投資にまつわるトラブルを扱ってきました。
こうした高配当の投資「HYIP」の被害が拡大する背景にはLINEなどSNSの普及があると分析します。
個人的な信頼関係に基いて、あの人が言うなら僕もみたいなことでお金を出しているから、自分は何をやっているかわからない。
つまり知り合いから勧誘をされたことで信用して投資してしまうことが多いのです。
全国から200件を超える相談が殺到。
しかし勧誘グループの実態解明はなかなか難しいといいます。
勧誘グループ
被害者などからの情報をもとに取材を進めると、ある男性へと辿り着きました。
D9クラブの勧誘グループのリーダー格と見られている人物です。
セミナーの講師、
月利27%のD9、ブラジルの案件。
この男性の事務所を訪ねてみました。事務所があるはずの部屋を呼び出してもエラーの表示。
管理人に話を聞きました。
「706号室の事務所は?」
今いない。引っ越したみたい。
「いつ頃?」
1ヶ月前。
足がつく前に居場所をすぐに変えているのでしょうか?
実態が掴めぬまま次々に新しいHYIPが登場しています。
9月20日、都内某所。ある投資セミナーの内部映像を参加者から入手しました。
10人ほどの参加者の前で語られていたのは、
ビットコインを買って損する話はない。日本で月収1億円を超えている人がいる。
セミナーで呼びかけていたのは仮想通貨ビットコイン関連の事業を手がける会社への投資です。
そこへビットコインの上昇率を掛けたらやばいですよ。月利130%とか月利1,000%超えるかもしれないですね。お金持ちになって豊かな人生を送っていただければと思いますので。
とどまらぬHYIPの被害、そしてそれは海外でも広がっていました。
200万円以上つぎ込んだ…!中国でも投資トラブル続出
人口1,400万人を抱える中国南部の大都市、広州。
ここ中国でも若者たちの間で高配当を謳う投資「HYIP」が広がっていました。
美容師の彭志輝さんと友人の于東輝さん。彼らは6月、ある投資商品に日本円で約60万円を投資しましたが配当は一度もなく、元本も戻っていません。
その投資商品とは一体どんなモノなのか?
2017年最高の投資商品「以太坊」。月の配当が15~25%と説明された。
「以太坊」とは仮想通貨「イーサリアム」の中国名。仮想通貨への投資だと思わせる商品でした。
ネットで「以太坊」と調べたら確かに存在するし、儲かると思った。でも実際は「以太坊貿易」に投資していた。
実は「以太坊」という仮想通貨ではなく「以太坊貿易」という会社への投資でした。
以太坊貿易
以太坊貿易が中国各地で開いた勧誘イベントのPRビデオ。
以太坊をみんなで祝おう!
以太坊のロゴを真似た決めポーズまで。
勘違いをして投資をした若者は広州だけで400人以上にのぼるといいます。
さらに取材を進めると中国全土の人たちが同様の被害を訴えていることが分かりました。
被害を訴える人は、
知人が7~8人投資しした。ほとんどが200万円以上をつぎ込んだ。
事務所
広がり続ける中国版HYIP。
取材班は被害者の証言をもとにその事務所と思われる場所を直撃しました。
上海支局の谷口康輔記者は、
私は中国の深圳に来ています。今回、中国でHYIPを広めた会社、その事務所が私の後ろのオレンジ色のビルの中にあるということで話を聞きに行ってきます。
深圳郊外にあるオフィスビル。被害者が持ったいたチラシにはここに以太坊貿易の勧誘拠点があると書かれていました。
「ここは以太坊貿易の事務所?」
中にいた女性に写真を見せて確認をすると、
「写真を見るとこの場所だが?」
何の用か。
「以太坊貿易にだまされた人が多い。」
うちの会社は違う。
ふと壁を見ると、そこに以太坊貿易のマークが…。
「ここは以太坊貿易ではないのか?」
新入社員なので分からない。
すると、
うちは違う。以太坊貿易の社長は逃げた。
「以前はここが会社の事務所だった?」
会社ではない。ただの勧誘窓口だ。
突然現れたこの人物、チラシの男性にそっくりです。
「このチラシは?」
これは私だ。
「これはあなたか?」
そうだ。私もだまされた。以太坊貿易は逃げた、私も被害者だ!3,400万円だまし取られた!
中国版HYIPの勧誘方法も日本とほぼ同じでした。
勧誘グループが出資者を集め、さらに知り合いを勧誘する。
この男性は自分も被害者だと繰り返すばかり。以太坊貿易は存在したのだろうか?
仮想通貨の制限
そんな中、
中央銀行などは「仮想通貨は法律で認められた通過としての地位は無く市場で使われるべきではない」と指摘した。
仮想通貨の違法行為に警戒感を強めた中国当局は9月4日、取引の制限を決めました。
被害に遭わないために
一方、日本では荒井弁護士が10月をメドにHYIP被害の訴訟を起こそうと準備を進めていました。
被害に遭わないためにはどうすればいいのか?
裁判例・判決によっては荒唐無稽な話だと断じているので利回りが月3%を越えたら経済常識に反するという認識を持つべき。
そして、さらにこう付け加えます。
何かおかしいことをすれば通常はその証券会社に賠償請求などができる。だけど今回は違う。誰かもよくわからない、名前も偽名だったりする。
何に投資をするかということではなく、誰にお金を渡すのか。そういうことに着目した方が判断を誤らないのではないか。