中国のハイテク大手ファーウェイが都内で発表会を開き、さまざまな新製品を披露しました。ファーウェイといえば安全保障上の理由でアメリカやカナダなどから排除されている企業です。中国との関係も緊迫する中、なぜいま日本に大量の新製品を投入するのでしょうか。
中国 ファーウェイに迫る！
代名詞の"スマホ"が危機!?
5月26日に都内で開かれたファーウェイの新製品体験会。
角谷暁子キャスター
スマートウォッチや最新型のパソコンもあります。そして人だかりができているのはこちらです。
一見すると普通のメガネのようですが…
角谷暁子キャスター
こちらはどういった商品？
ファーウェイ・ジャパン 端末統括本部
片山将さん
ここにスピーカーとマイクがついていて音楽を聴く音声通話、オンライン会議ができるオーディオグラスとなっている。
メガネのつるの部分をよく見るとスピーカーとマイクがついています。バッテリーや電子回路などもすべてここに収められているとか。
実際掛けてみると…
角谷暁子キャスター
音楽を再生してみます。
音楽がいま流れてきているんですがマイクには聞こえていないですか？
私の耳には大きな音で音楽が聞こえていますが周りには聞こえていないようです。
不思議な感じがします。
ただ耳は塞がれていないので周囲の音はしっかりと聞こえています。
音量の調節もつるの部分を触れるだけ。
バッテリーは連続通話で4時間半持つので長時間のリモート会議にも対応できます。
実はこれが今回発表した新製品の目玉「HUAWEI Eyewear」。
発表会では…
ファーウェイ・ジャパン
デバイス部門を統括する
楊涛さん
メガネチェーンのオンデーズの全国店舗でレンズ交換サービスが受けられるようになった。
ファーウェイは日本のメガネチェーン「オンデーズ」とコラボ。オンデーズの国内210店舗でオーディオグラスの販売やレンズ交換などのサービスを受けられるようにします。
ほかにもスマートウォッチやポータブルスピーカー、さらに測定したデータを自動で記録する体組成計など10製品を一気に発表しました。
しかし、ファーウェイの代名詞とも言える新型のスマートフォンの発表はありません。
一体なぜなのでしょうか。ファーウェイ・ジャパンの楊氏を直撃してみると…
ファーウェイ・ジャパン
デバイス部門を統括する
楊涛さん
御存知の通り、さまざまな状況の中で5G半導体の提供を受けることが難しくなっている。
それが原因で今回はスマートフォンの発表をしなかった。
高速通信規格に対応した5Gスマホには欠かせない専用の半導体。実はアメリカから経済制裁を受け、半導体が入手できない状況に追い込まれているのです。
角谷暁子キャスター
5Gのスマートフォンを消費者に提供できるのはいつごろ？
ファーウェイ・ジャパン
デバイス部門を統括する
楊涛さん
これについては今後の発表を待ってとしか言えない。
少し辛抱強く待ってもらえると私たちもうれしい。
名門を追い詰める制裁 アメリカ
中国を代表するハイテク企業ファーウェイは人民解放軍出身の任正非氏が1987年に創業。
携帯電話の基地局やスマートフォン事業を中心に急成長を遂げてきました。
2018年にはスマホのシェアでアップルを超え世界第2位に浮上。
折りたたみ式のスマホもいち早く発表し世界を驚かせました。
テレビ東京が取材した中国にあるファーウェイの研究施設。東京ドーム25個以上の広大な敷地に広がるのはまるで中世ヨーロッパのような街並み。
敷地内には電車も走っています。
いまや従業員数は世界でおよそ20万人。優秀な人材を破格の待遇で採用し、研究開発で世界をけん引していくと目されていました。
しかし、2019年に転機が。米中貿易戦争の最中、当時のアメリカ・トランプ大統領が安全保障上の脅威を理由にファーウェイなど中国のハイテク企業を排除。
これにより最先端の半導体を入手できなくなったのです。
角谷暁子キャスター
中国企業として半導体入手の懸念はどれくらい？
ファーウェイ・ジャパン
デバイス部門を統括する
楊涛さん
今、半導体の供給について若干の困難に直面している。
しかし私たちは世界の供給網を信じている。
世界中のパートナーと連携を強化し、困難を乗り越えようとしている。
苦しい状況の中、今回日本でスマホ以外のさまざまな製品を出すことの狙いを聞いてみると…
ファーウェイ・ジャパン
デバイス部門を統括する
楊涛さん
日本には大きなマーケットがあり、サービスや製品に高い要求を持っている。
環境が変わっても私たちの理念が変わることはない。
きっと私たちの製品を気に入って認めてくれる。