
中国経済は低迷しているものの、自動車の新車販売は年間約2,500万台と好調が続いています。
中国政府は新車販売をさらに拡大させるために買い替え需要を促そうと中古の市場を整備していく方針を打ち出しました。
しかし中国では中古車に粗悪な中古部品が使われることがあり中古車市場に悪影響を与えています。
全国人民代表大会
3月に行われた中国の2016年の国家計画を決める全国人民代表大会。
李克強首相は
中古車市場を活性化させる。
中国政府は流通網の整備するなどして中古車市場を拡大していく方針を決めました。
北辰亜運村自動車取引市場
北辰亜運村自動車取引市場は北京最大の自動車販売所です。
400軒ものディーラーが軒を連ねています。
平日でも商談風景が多く見られ新車販売は好調のようです。
隣にある中古車市場は高級車から国産車まで1,000台以上展示されていますが販売は芳しくないといいます。
自動車取引市場の責任者によると
中古車は新車の半分しか売れない。客は中古車を買うのが心配なんだ。
中古車への不安
北京にある修理会社のオーナーが中古車への不安について教えてくれました。
部品がどこから来ているのか、よく分からないんだ。事故車のエンジンとか何だって使われているんだ。
品質の悪い中古部品が多く出回っていることが中古車販売の足を引っ張っています。
湖北省武漢
湖北省武漢にある300近い店が並ぶ自動車部品の街。
中古部品などを求めて自動車修理店の他、個人で買いに来るお客様もいるといいます。
中国では中古部品が一般的に流通しています。
そこに現れたのが永塚政義社長。
中古部品の販売店の見学に訪れました。
ある業者が店の倉庫へ特別に案内をしてくれました。
中にあるのはおびただしい数の中古部品です。
古びた自動車のドアからエンジン周りの部品まで古く汚れた部品が目立ちます。
部品店のオーナーは
これは中国の車から取った部品。汚れが少ない部品は密輸品。
ほとんど部品が汚れた状態のまま販売されるといいます。
価格は新品の10分の1程度。
こんなに安いんだからリスクがあるのは当然さ。
倉庫を視察した永塚政義社長は日本で中古部品の再生会社を経営しています。
中国の中古部品を再生できれば大きなビジネスチャンスになると考えています。
株式会社アーネスト
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株式会社アーネストの永塚政義社長は
中国は中古部品の販売に限界が来ている。リビルト(部品再生)の分野が中国に必要になってくる。
GHM社
永塚政義社長は武漢で部品再生工場を稼働させました。
大手商社の三井物産株式会社と現地企業との合弁でGHM社を設立。
約40名の中国人スタッフを雇用しています。
永塚政義社長の会社の売りは古くなった部品を甦させる技術力にあります。
作業は中古部品をネジ一つまで完全に分解します。
細かなパーツを一つ一つ研磨して、再び組み立てます。
ここで再生された部品は一般的な中古部品の約5倍の価格で売れるといいます。
メーカーの新品と遜色ない品質に仕上げている。
電気を通して再生した部品が本当に動くか3回の品質検査を行います。
さらに全ての再生部品に検査証明書と保証書をつけます。
これが中国企業との差別化になるといいます。
自動車部品の展示会
上海で行われた自動車部品の展示会。
約1,000社が出展をしました。
永塚政義社長の再生技術やサービスはどう評価されるのか?
部品販売の代理店の男性は
中国の再生部品は質が悪く仕入れるのが怖い。保証はどうなっている?
2年間、4万キロメートル、日本と同じ保証。
今回の商談会で10社の地元企業と契約交渉を開始することになりました。
中国の自動車保有台数は1億7,000万台。
再生部品市場は1兆円まで拡大するといわれています。
永塚政義社長は
中国がこれだけの保有台数になればニッチな分野でもボリュームが違う。この市場には期待している。