本田技研工業株式会社
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本田技研工業株式会社が9月16日に発売したのは「新型フリード」です。
寺谷公良執行役員は
コンパクトミニバン市場ナンバーワンを目指す。
約8年ぶりのフルモデルチェンジです。
新型フリード
今回の新型車は先代に比べると床が低くなっています。当然、乗り込みが楽になるメリットがあります。
さらに従来モデルに比べ室内空間を拡大しました。
座席同士の幅を広げたことで車内での移動も楽になりました。
ただフルモデルチェンジにも関わらず、目立つのは小幅な改良の積み重ねです。
実は新型フリードは外観デザインなどは従来モデルから大きな変更は加えられていません。
大浜平太郎キャスターの試乗
では走りはどう変わったのか?
新型のフリード、早速運転してみましょう。
もう少しエンジン音がうるさいと思っていた。とっても静かです。
フリードは子育て層など意識した、いわゆるファミリーカーです。
ハイブリッドタイプでは燃費は27.2km/L(JC08モード)、ミニバンではトップクラスの燃費性能です。
大きな特徴や個性があるタイプの車ではない。誰が乗っても安心感があるタイプの車。
価格も188万円からと多くの人に手が届く価格です。
「強い個性を主張しない」車。それが新型フリードの特徴のようです。
新型フリードへの期待
本田技研工業株式会社の国内販売を統括する寺谷公良執行役員、新型フリードに大きな期待をかけています。
この車は非常に幅広いお客様に支持されるポテンシャルを持っている。
実はこの車が本田技研工業株式会社が国内市場で反転攻勢をかけるための大きな役割を担っているのです。
その背景にあるのは、
拡大戦略の中で品質の齟齬もあって、ブランドが少し傷ついた部分は否めない。
かつて発売した主力車種、フィットのハイブリッド車の存在です。
2013年10月のリコールを皮切りに、エンジンの制御プログラムの不具合などで発売から1年で5回もリコールが発生する事態に…。
本田技研工業株式会社のブランドイメージを大きく傷付ける結果になりました。
さらに追い打ちをかけたのが、タカタ株式会社のエアバッグ問題。
タカタ株式会社製のエアバッグを搭載する車を数多く販売していた本田技研工業株式会社は2016年3月期まで2期連続で営業減益に陥ったのです。
ただ2015年は北米や中国で過去最高の販売台数を記録しました。
好調な海外とは裏腹に国内販売では苦戦が続いているのです。
2014年度が約78万台、2015年度が約70万台と2年連続で販売台数が減少。
今年度もさらに台数は減少する見通しです。
現在、本田技研工業株式会社が主力とするのは「フィット」と軽自動車「N-BOX」の2車種。
そこに、今回発売する新型フリードを第三の柱に据え、国内販売を回復させる考えです。
一つ一つの商品を準備して、きっちり売っていこうと、質を高めていこうと取り組んだ結果、このフリードに関しては出てきている。
大きな壁
しかし、現在の小型ミニバン市場では大きな壁が立ちはだかります。
それがトヨタ自動車株式会社のシエンタです。
派手なデザインでニーズを掴み、2016年の上半期の販売台数は6万台を超えるヒットとなっています。
新型フリードはシエンタと戦えるのか?
モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏は
それなりの数字は見込める。ホームラン狙いの三振を避けて、確実なヒットがあった方がいい。
ホンダらしさ
本田技研工業株式会社はその先も見据えています。
先月、10年ぶりにスポーツカー「NSX」の国内販売を発表。
目指すのは「ホンダらしさ」の復活です。
かつての「ホンダらしさ」を象徴する車である「NSX」で、ブランドイメージを回復させる狙いです。
八郷隆弘社長は
生活に役立つ車と操る喜びを追求する車、2つを継続的にやるべき。
新型フリードを契機に国内販売を伸ばし、NSXでブランドイメージを高めることで中長期的な成長につなげようという考えです。
寺谷公良執行役員は、
NSXという、とんがった商品を出した、今後もホンダらしい商品は提案したい。ブランドが元気がなくなっているとするなら、もう1回元気を取り戻す、輝きを取り戻す。