ホンダの小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」。ホンダはこの機体を使い、小型ジェット機のシェアサービスを始める計画です。来月実証実験を始めます。その狙いは何なのか取材しました。
ホンダジェットがシェアサービスへ
ビジネスや旅行で需要増!?
大分空港の一画にある航空会社「本田航空」。そこにあったのが…
増田洋一記者
ありました。ホンダのジェット機です。
小型のビジネスジェット機として2016年から受注・販売をしているホンダジェット。納入した数はこのクラスで5年連続世界1位です。
このジェット機を使って新たに始めようとしているのがホンダジェットのシェアサービスです。
コロナ禍で飛行機の利用が大きく減少する中、実はビジネスジェットの利用は堅調で、特に地方都市を結ぶ利用は増加傾向にあります。
ホンダは自社のカーシェアサービスとも連動させて自社の強みを生かした新たな移動のシェアサービスを来年始める計画です。
どのようなサービスなのか、来月始まる実証実験を前に特別に体験させていただきました。
地方都市間を移動する場合、課題となるのが時間です。例えば出張で長野県松本市から秋田市まで移動する場合、飛行機の直行便がないため車や新幹線などで移動すると7時間もかかってしまいます。
しかし、ビジネスジェットの直行便なら1時間半と大幅に短縮することができます。
さらにホンダジェットならではの特徴も。
増田洋一記者
いまホンダジェットで上空を飛んでいますが、一般的な飛行機に比べて静かに感じます。
声を張らなくても普通に会話できる?
ホンダ
モビリティサービス企画課
井上大輔さん
エンジンが胴体ではなくて羽の上についているのが特徴。
そのおかげで室内が静かになっている。
小型ジェット機の多くはエンジンが胴体に付いていますが、ホンダジェットの場合、翼の上に付いています。そのため騒音が少なく、飛行中の会話もしやすいといいます。
この特徴を生かせば移動中の機内でオンライン会議にも参加が可能。時間を有効に使えます。
そして目的地に到着すると…
増田洋一記者
降りたらすぐ目の前にホンダの車が止まっています。
こちらはホンダのカーシェアサービス「EveryGo」の車。飛行機を降りた後、すぐに車に乗り込んで目的地に移動することができます。
さらにホンダジェットの運行も傘下の航空会社が行うなど、今回全てのサービスをホンダが自ら運営します。
ホンダ
モビリティサービス企画課
井上大輔さん
価格の面でも自社で一貫してやる以上、1時間100万~150万円の価格設定が多い。それより競争力があるところにチャレンジしたい。
小型ジェットという移動手段をより身近に。ホンダは将来的にビジネス客だけでなく、一般のお客さんにも利用を広げたい考えです。
ホンダ
モビリティサービス企画課
井上大輔さん
一般向けに広く、交通系アプリのようにサービスを提供したい。
毎日乗れるとは言わないが10年に1回の特別な旅行の際に「乗ってみようかな」と選択肢に挙がる乗り物にしていきたい。