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[WBS]半導体不足続くも…自動車メーカーに円安の追い風[本田技研工業株式会社]

2021年11月5日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

11月5日に決算を発表した自動車メーカーのホンダは今年4-9月までの半年間の業績が増収増益となりました。またトヨタは過去最高益となっています。

好調の背景の一つが円安です。

しかし、現在の円安は日本経済にとって悪い円安なのではないか、そんな指摘も出てきています。一体どういうことなのでしょうか。

本田技研工業株式会社

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11月5日に決算を発表したホンダ。

4-9月まで半年間の営業利益は4,421億円。コロナの影響で大きく落ち込んだ前の年と比べて2,729億円増加しました。

その背景にあるのが円安ドル高の進行。今年の1月以降およそ10円円安が進んでいます。

これによりホンダの営業利益は809億円押し上げられました。ホンダにとって円安が業績に与える影響は…

ホンダの竹内弘平取締役。

1年間で1ドルで1円スイング(変動)すると約120億円のインパクトがある。

またスバルも円安効果で半年間の営業利益を66億円押し上げました。

自動車メーカー各社にとっていま円安が追い風になっているのです。

ところが自動車メーカーの下請けの中にはその円安に苦しむ企業がありました。

自動車のドアロックに使うプラスチック製品などを製造するメーカー「日進工業」。自動車向け製品の売り上げが5割を占めますが…

日進工業の竹元盛也社長。

おもいっきりきた、50%減。売り上げの半分が半分になり痛い。

半導体不足による自動車メーカーの減産で9-10月の自動車関連の売上げは半減。

設備の稼働率は1年前の7割ほどに落ちています。

そこに追い打ちをかけるのが円安。

こちらは自動車部品の材料「ナイロン樹脂」です。

仕入れ価格が爆上がり。1.5倍ぐらいになっている。

為替の影響も、原油の影響もあるだろうし、供給がタイトになった影響もあって値上がりがバーッといった。

原料である原油の価格は1バレル80ドル近辺と7年ぶりの高値圏で推移しています。

4日にはOPEC(石油輸出国機構)などが毎月日量40万バレルずつ小幅に増産するという従来の方針を維持すると決定。日米などが求めた追加の増産は見送ったことで価格はさらに上昇する可能性もあります。

資源価格が上がるのと同時に円安が進むと原材料を輸入する企業にとってはコスト上昇に拍車がかかり、「悪い円安」といわれる状況になるのです。

もうお客様に対して値上げを要請していく段階にきた。

いい円安か悪い円安か、その分かれ目になるのは何か専門家は…

東短リサーチの加藤出社長。

円安のときに収益が改善した大手企業が労働者の賃金をしっかり引き上げられれば好循環になっていくことが期待されるが、賃金がしっかり上がらないのに円安で生活コストが上昇すると多くの国民にとって円安はデメリットになり得る。

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