有名なコピーライターの糸井重里さん。
そんな糸井重里さんが経営する「株式会社ほぼ日」が3月16日に上場しました。
株式会社ほぼ日は一体どんな会社なのか?
そして上場する理由は何なんでしょうか?
糸井重里さんに直接話を聞いてきました。
株式会社ほぼ日
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3月16日の東京証券取引所。ある人を見つけました。コピーライターの糸井重里さん(68歳)。
1982年に発表した「おいしい生活」という西武百貨店のコピーで一世を風靡。
日産自動車株式会社のセフィーロの「くうねるあそぶ。」のキャッチフレーズも糸井重里さんの作品。
スタジオジブリ作品のコピーなどコピーライターとして不動の地位を築きました。
そんな糸井重里さん、3月16日は社長の顔。経営する会社「株式会社ほぼ日」が東証ジャスダック市場に上場したのです。
初日は買い注文が殺到し公開価格2,350円の2倍以上となる5,410円でも値がつかない人気ぶりでした。
糸井重里社長は、
株主は僕らと一緒にやっていると面白いと言えるようになればいいと思っている。株を売って買って大儲けみたいなことはあまり期待しないほうがいいと思う。
ほぼ日
株式会社ほぼ日は「ほぼ日刊イトイ新聞」というウェブサイトを1998年から運営。
糸井重里さんが毎日執筆するコラムのほか、対談記事など豊富なコンテンツを揃えます。
売り上げは約38億円。
しかしそのほとんどを占めているのは実は商品の販売です。
代表的なヒット商品が「ほぼ日手帳」です。
ほぼ日手帳
自由に書き込めるスペースがあり、ページの下に書かれたウェブサイトの連載の一部を毎日楽しめるのが特徴です。
株式会社ロフトの手帳部門で12年連続売り上げトップという大ヒット。
利用者は、
使って3年ぐらい。絵を書くのが好きなので、その日のことを書いたりメモがてらイラストを描いたりする。
3年前には東京・青山に専門ショップ「TOBICHI」をオープン。手帳に書籍や文具、食品まで幅広い商品を開発・販売する小売業でもあるのです。
上場の理由
株式会社ほぼ日が何故上場するのか?
大江麻理子キャスターが直接、オフィスを訪ねました。
まず目に飛び込んできたのは古い電話です。
「不思議な入り口でした。」
そうですか?
呆気にとられながら糸井重里さんにオフィスを案内してもらいました。
38年前に個人事務所としてスタートしましたが現在は社員は約70人。
「部署でいうとどういう部署?」
部署ではあまり分かれていない。くじ引きなので。経理の人たちと、ものを書く人たちが隣り合わせになると「そんなに大変なんだ」ということが分かるじゃないですか。
なにより大事にしているにはコミュニケーションです。
糸井重里さんも働くことや事業の方針などを事ある毎に社員に伝えているといいます。
上場についてはなんと話したのでしょうか?
上場は大人になりたいという話をした。大人になるという部分、できることが増えたほうが人の助けになる、自分も嬉しい。上場は会社という法人が大人になるというのが僕のイメージだった。
その上場で得た資金は主に優秀な人材の確保へ使いたいと話します。
1人の人がいるということは会社にとって大きな工場を1つ持っているくらいの意味がある。人が来たがるような仕事をしていないと来てもらえない。いつでも喜んで、ここで仕事がしたいんだよって言われるような場所を作るために資金も使われていくと思う。
さらにこんな質問もぶつけてみました。
「『ほぼ日』が上場すると最初に聞いたときに、これはもしかしたら糸井さんがご自身が抜けたあとも『ほぼ日』が続くようにと。そういう仕組み作りを始めたのかなと思った。」
それはもうずっと前からやっています。自分がいなくなった後の会社をどうやって存続させていくか。上場というのはひとつの途中段階の仕上げで、それまでもずっとやっていること。ますますやりやすくなったとは思いますけど。