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[WBS] 「高速鉄道」を欧州に続々と…日立が世界の鉄道事業を狙う!

2017年10月20日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

世界の鉄道メーカーの売り上げの比較です。

鉄道メーカーの売り上げ(2016年度)
社名売り上げ
中国中国中車3兆7,769億円
ドイツシーメンス9,390億円
フランスアルストム8,767億円
カナダボンバルディア8,331億円
日本日立4,979億円

トップは中国中車、日本円で3兆8,000億円近くと圧倒的です。

それに次いでドイツのシーメンスとフランスのアルストム、このヨーロッパの企業が続くワケですが、この両社が9月末に鉄道事業を統合すると発表しました。

日本企業では日立製作所がそのヨーロッパで事業の拡大に向けて攻勢をかけています。

競争がますます激しくなる世界でどう戦っていくのでしょうか?

株式会社日立製作所

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今週、ロンドン中心部のターミナル駅「パディントン駅」。

豊島晋作キャスター、

たった今、黄色と緑色の車両がパディントン駅に入ってきました。今日から営業運転を始めるということです。

現れたのは日本の日立が開発・製造した高速鉄道車両「CLASS 800」。最高速度は201キロで今週からロンドンと西部の都市ブリストルなどを結びます。

お披露目ではあのエリザベス女王も乗り込むなど注目されましたが、運転初日のこの日は一部の車両で空調設備が壊れ座席の上から水が漏れ出すトラブルが発生しました。

さらに、

「神戸製鋼のアルミは使われているか?」

正井健太郎執行役常務は、

使われているが強度上問題ないことは確認している。

日立にとって苦い一日となりました。

ピストイア工場

しかし、

今回、苦い思いをした日立ですがヨーロッパでの鉄道事業は着実に拡大させています。その拠点がイタリアのピストイア工場。

日立は2015年、イタリア最大の鉄道メーカーを買収。フィレンツェ近郊にある工場を手に入れました。

今や日立が海外で所有する最大の車両工場で、イギリスに出荷される先程の「CLASS 800」シリーズも生産が始まっています。

日立レールイタリアのマウリツィオ・マンフェロットCEOは、

日立と統合して工場に仕事は増えた。車両は日本で設計され、イタリアで組み立てて、イギリスを走る。

「CLASS 800」シリーズを含め日立はイギリスで高速鉄道車両866両を受注。事業規模1兆円のプロジェクトで契約を勝ち取っています。

世界各地に車両を出荷するこの工場は日立の海外戦略の要。

イタリア人技術者、

出荷前の最終確認をしている。

中には日本人技術者の姿もあります。

「水漏れがあったが、この車両は大丈夫か?」

確認している。大丈夫。

共に働くイタリア人技術者については、

イタリア人技術者は日本人と同じで朝早くから夜遅くまで働いている。土曜日も仕事に出たり、勤勉です。

正井健太郎執行役常務は、

ものづくりに対する情熱や技術は日本と同じ。根っこが同じでわれわれもスッと仲間になれた。

フレッチャロッサETR1000

フェラーリやフィアットを生んだ北イタリアにはものづくりへの強い誇りがあります。

その象徴が赤い車両、日立が買収する前からこの工場で生産されている「フレッチャロッサETR1000」と呼ばれるイタリア番の新幹線です。

実際に乗り込んでみると、

今回特別に運転席を見せてもらいます。

ボローニャを出発してミラノに向かっているところです。速度は現在260キロです。

現在、最高運転技術は時速300キロですが来年は360キロまで引き上げられ。フランスのTGVを越えてヨーロッパ最速となる見通しです。

こうしたイタリア人のものづくりとの連携で日立は世界の鉄道事業を狙います。

東原敏昭社長は、

北イタリアで生産された日立の列車が世界中を走る。非常に誇らしいことだ。

最強の敵

しかし日立には最強の敵が立ちはだかります。

シーメンスのジョー・ケーザーCEOは、

われわれはヨーロッパ最強の鉄道会社となり世界と戦う。

シーメンスとアルストムの統合は今後、世界最大手の中国中車が海外進出を加速させることに対抗する狙いで、実現すれば売上高2兆円の超巨大企業が誕生します・

東原敏昭社長は、

大きな企業になるのには非常に脅威。やはり車両生産能力が非常に大きくなる。

ますます競争が激しくなる世界の鉄道市場。東原社長は海外での買収攻勢で迎え撃つ構えです。

グローバルな視点でアライアンス(提携)やM&A(買収・統合)を考えていきたい。

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