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[モーニングサテライト]【CFO参上】「事業の新陳代謝」決断の裏側[株式会社日立製作所]

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企業の財務責任者に成長戦略を聞くシリーズ「CFO参上 財務トップが未来を語る」。

今回は日立製作所です。

日立の直近の業績を見てみると前期は過去最高となる純利益を計上するなど業績は非常に好調となっていますが、2008年ごろまで遡ってみるとリーマンショックの直撃を受けて7,873億円という巨額の赤字に苦しんでいました。

業績のこのV字回復の背景には老舗グループ企業の売却、そして巨額の買収案件を手掛けるなど大胆な企業の新陳代謝がありました。

1兆円買収判断は?資金は?日立のV字回復の裏で事業再編

日立製作所の三好崇司副社長(当時)。

当期純損失(最終赤字)は7,873億円です。

2009年3月期、日立は当時の国内製造業として過去最大の経常赤字を計上。

これが経営を大転換するきっかけでした。

産業向けITプラットフォーマーを目指し、鉄道やエネルギーなどの社会インフラ事業にデジタル技術をかけ合わせたソリューションビジネスに集中。V字回復を果たしたのです。

この間、進めてきたのが事業の大胆な売却と買収です。今その意思決定に大きく関わるCFO、河村芳彦さん。

「この10年、事業の入れ替わりをしてこられた中の一部ですが、ほぼ毎年のように大型の事業の売却・買収が続いています。」

日本の経営史に例を見ないスピードでポートフォリオを入れ替えた。

2009年に22社あった上場子会社は次々と上場廃止にして今では2社に。

買収も積極的に進めました。

今年7月には世界14ヵ国で企業のデジタル化を支援するアメリカの新興企業「グローバルロジック」をおよそ1兆円で買収。市場をあっと言わせました。

1兆円で買ったが売り上げは1,000億円。9,000億円は"のれん"や売却資産。

私の立場から言えば最初は「どうかな」という感じはあった。

日立の事業とシナジーはある。年率20%ぐらいで成長している。

"のれん"などもコントロールしながら「できる」と感じた。

買収判断はグローバルロジックでほんの数ヵ月。

スピード重視の買収戦略。しかし、巨額の買収資金はどう工面しているのでしょうか?

日立はバランスシートは強い会社。

「デッド・エクイティ・レシオ」は0.3~0.4倍で推移。

世の中は「1倍」の会社がいっぱいある。

デッド(銀行借り入れ)でお金を集める余地が大きかった。

デット・エクイティ・レシオとは企業の財務の健全性を計る指標。銀行借り入れなどの負債が株主資本の何倍かを示す数値で1倍以下が健全とされています。

リーマンショック以降、日立は債務の返済や増資を行うことで財務基盤を強化。1兆円の買収を立て続けに行ってもまだ健全な水準です。

2年続けて大きな買収をしたので、まずはこれらを日立に融合して一緒にビジネスができる体制づくりを優先。

もし新しい機会があれば買収資金は何とか工夫できる。

資本コスト重視のワケ!日立「ROIC」で事業継続を判断

次々と買収を手掛ける日立にはそれぞれの事業を今後も抱える価値があるのか判断する基準があります。

それが2年前に取り入れた指標「ROIC(投下資本利益率)」です。税引き後の営業利益を株主資本と借り入れの合計で割ったもので数値が高いほど効率的に利益を上げていると見ることができます。

事業ごとのROICはIR資料の統合報告書で公表しています。

見てみるとエネルギー事業はM&Aの影響で一時的に低いものの半分の3事業では10%を超えています。

このROICと比較するのが日立が資金調達する際の資本コスト。投資家にとってはリターンにあたり、現在7~8%ですが…

ROICの値が資本コストと同じだと資本の蓄積ができない。

資本コストをカバーできない事業は会社の価値を毀損している。

各事業のROICは資本コストの上を行ってくれと。

相対的にROICが低い事業は何らかの手を打たないといけない。

目標をクリアできない場合は「いろいろな事」を考えようと議論。

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