神戸・三宮の住宅街の一画に佇む和風のお店。
のれんには牛丼の2文字。
お昼時にもなるとこの行列。
愛媛県から。
東京から来ました。
関西の友達が「ここ絶対おすすめだ」と言っていたので。
全国から人を引き寄せる牛丼とは一体?
神戸牛丼 広重
平日で15人程度、土日には20人以上が並ぶ牛丼専門店広重。
店の外のお品書きには並1,500円とあります。
なぜこれほど高いのか…
お肉は神戸牛でしょ。
神戸牛のおいしい店を調べて出てきたので。
牛丼
牛丼といえば早い・安い・うまいという和風ファストフードの代名詞。
広重の牛丼はチェーン店のざっと4杯分です。
広重で使われているのは最高級の神戸牛のロース。
肉は注文が入る毎に調理します。
普通、玉ねぎは肉と一緒に煮込みますが、広重では肉とは別に醤油ベースの出汁でやわらかく煮込んでいます。
ご飯の上にその玉ねぎを乗せ、さらに丁寧に調理した神戸牛を1枚、2枚、3枚、6枚、惜しげもなく盛り付けます。
完成した牛丼がこちら。
一口頬張ると思わず笑みが溢れる。
肉がめちゃくちゃやわらかい。
「普通の牛丼とは違う?」
全然違う。
何回でも来れる。
石井宏重さん
実は店主の石井宏重さん、元々イタリアンレストランのオーナーシェフ。
22歳の若さで独立し、19年間レストランを切り盛りしてきましたが…
イタリアンで独立して20年目という節目もあったし自分1人でできる店を1度してみたいなと。
神戸出身の石井さんが地元の食材で勝負をしたいと目をつけたのが神戸牛。
1人で店を回せる料理として思いついたのが牛丼でした。
元イタリアンシェフらしく肉を調理するのはフライパン。
間口が広いのと片手が盛り付けやすい。
石井さん、なにやら別の料理を作り始めました。
手際よく刻んでいるのは白菜やニンジン、大根などの野菜です。
牛丼だけじゃ野菜を取れないので。
野菜をふんだんに取れるポトフ。
作っていたのは洋風スープのポトフ。
牛丼には味噌汁がついてくるのが一般的ですが、イタリアンの経験を生かして得意料理だったポトフを牛丼のお供にしようと考えたのです。
めっちゃやさしい味でホッとする。
最高級の神戸牛を使った牛丼。
飲食店の原価率は3割から5割が普通ですが、この牛丼は7割にも達します。
素晴らしい神戸ビーフをできるだけ敷居を低くして提供できないかなと。
できるだけ今の価格帯で続けたいと思っている。
元イタリアンシェフが切り盛りする牛丼店。
待ち時間が短くなることはしばらくなさそうです。