ひみ寒ぶり
立山連峰を望む富山県氷見市。早朝6時過ぎの氷見魚市場。
次々と市場に並ぶのはブリです。特に11月末から2月上旬にかけて氷見漁港に揚がる寒ブリは「ひみ寒ぶり」として全国的に名高いブランド魚です。
この日は1,100本以上のひみ寒ぶりが競りに並びました。
漁師の店 森本漁業の南美也子さんは、
朝買ったブリに貼る。
ひみ寒ぶりと認定されるのは6kg以上の重さのものでブランドの証、ステッカーが貼られます。
ひみ番屋街
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漁港近くの道の駅「ひみ番屋街」には週末ともなると多くの人が訪れます。
220台収容の駐車場は昼頃には満車です。
「何を目的に?」
すしを食べるのと氷見の寒ブリを見に来た。
ブリと言ったら氷見。
週末や祝日になると、ひみ番屋街には6,000人以上が訪れます。
漁師の店 森本漁業
ひみ番屋街の鮮魚店に市場で出会った漁師の店 森本漁業の南美也子さんが、
「競りで落とされたブリが?」
並んでいる。全部そう。
「この時期の寒ブリはどういう存在?」
ブリがなかったら商売ができない。大事なもの。海の王者。
この店では1日に数十本もの「ひみ寒ぶり」が売れるといいます。
氷見前寿し
さらにひみ番屋街にある回転寿司店ではすでに20人以上の行列ができていました。
美味しいです。
ここでも当然、寒ブリが売れ筋。寒ぶりの握りが504円、寒ぶりトロの握りが924円。
今の時期、約25種類ある寿司ネタの中で売り上げの約1割を寒ブリが占めるといいます。
氷見前寿しの濱出悟店長は、
時期的に氷見に来たらブリ。ほとんどブリだけ。
ただ、2015年はこんあ状況ではなかったといいます。
去年はブリが捕れなくて、お客様に「ブリがないか」とよく言われた。
実は去年、寒ブリが不漁のため2011年から始まった「ひみ寒ぶり宣言」が出されませんでした。
ひみ寒ぶり宣言
「ひみ寒ぶり宣言」は氷見魚対策協議会の判定委員会がひみ寒ぶりの安定出荷が見込めると判断した場合に出される宣言です。
2016年は11月25日に出され、2年ぶりに氷見に活気が戻りました。
まる字甚
夜、寒ブリが売りの飲食店を覗くと、店内は大賑わい。
まる字甚の舘繁章さん。
「これは今日捕れた?」
今日捕れた寒ブリ。10kg以上の寒ブリはあまり揚がらない。
こちらでは10kg以下のブリは「ひみ寒ぶり」ではないと脂の乗った大物だけを捌きます。
寒ぶり宣言が出されたことで氷見が踊るような気分になる。
この時期のおすすめはブリの切り身をだしにサッとくぐらせる「ぶりしゃぶ」だといいます。
氷見市
氷見市にとって寒ブリの存在とは?
氷見市の本川祐治郎市長は、
ブリと共に始まり、ブリと共に盛り上がる。ブリを食べることが氷見人の誇りであり、町へのアイデンティティーであり、シビックプライド(町に対する誇りや愛着)の創出であると実感する。
北陸のプライド、ひみ寒ぶり。冬だけの味覚を求め、この週末もまた行列が生まれます。