シリーズ「ケーザイのナゼ?」。
今回のナゼは自動販売機です。日本は人口に対する台数が世界一で自販機大国ともいわれています。
しかし、その数は近年減少傾向で、特に飲料を扱う自販機の数は年々減っています。
一方で飲料以外を販売する新たなタイプの自販機は増えてきているといいます。
一体ナゼなのでしょう、直撃リサーチしてきました。
株式会社日比谷花壇
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小田急新宿駅構内にある1台の自動販売機。
売られていたのは花です。
かわいいです。花瓶に入っているのがいい。
2つ買いました。
一方、静岡県に7月にオープンしたこちらのお店。
冷凍の寿司にペットボトル入りのブランド米、仙台の牛たんまで。
さらに…
静鉄リテイリングの川崎怜さん。
こちらが昆虫食の自動販売機です。
24種類の昆虫食が売られています。
自販機だけが並ぶ店内、その数は22台。
自販機のテーマパークのような店。
売り上げは好調。7月の1ヵ月で350万円ほど。
いま飲料以外の自販機が増えています。一体ナゼなのでしょうか?
首都圏を中心に花の小売店を展開する日比谷花壇。
イベントなどの減少もあり、今年4-6月の売り上げはコロナ前に比べて9割にとどまっています。
さらに…
日比谷花壇の馬場卓也さん。
来店が心配な方が増えてきて、営業時間の短縮がネックになっている。
そこで販路を広げようと新たに始めたのが花の自販機です。
非接触でお客様に花を提案できる。
人気は一輪挿しのフォーチュンフラワー。袋に空気をパンパンに詰めたことで衝撃に強くカバンに入るサイズというのがポイント。
このコンパクトサイズが新たな需要を掴んでいるといいます。ナゼなのでしょうか?
自販機の前で待っていると次々と男性が立ち止まり、花を購入してきます。
母が花が好きなのでサクッと簡単に買えるのはすごくいい。
店に入るのは恥ずかしい。照れる。自販機の方が描いやすい。
対面での購入が少なかった男性客が仕事帰りに買うケースが多いといいます。
店が開いている時間に行けない方が非常に多いと思っていたので狙い通りマッチしている。
非対面以外にも自販機が増える理由があります。
オフィスに置かれた新型の自販機。
売られているのはサラダです。有機・無農薬の野菜を使ったものでお値段は1つ1,100円。
企業に野菜やサラダを宅配する会社が手掛けました。
ナゼ、サラダを自販機で販売するのでしょうか?
KOMPEITOの渡邉瞬CEO。
フードロスという課題はずっと付きまとってきた。
自販機での販売で非常に効率的になっていく。
しかし、こちらのサラダの賞味期限は2日。売れ残ってしまえばむしろ無駄になるのでは?
ナゼ、フードロス削減につながるのでしょうか?
KOMPEITOの梅津祐希CTO。
こちらがAIセンサー。
自販機前の通行数と立ち止まった人数と時間を計測している。
AIセンサーが24時間、自販機の前の様子を撮影。どの時間帯にどれだけに人が通り、サラダを購入したのかデータを収集しています。
18時を過ぎると通行する人の数はガクッと減ります。このデータを基に担当者が遠隔である設定をします。
すると、価格表示が変わりました。
人通りと在庫のデータから値下げをして売り切る仕組みです。
省スペースでできるし、24時間人手をかけずに運営できる。
新しい食品販売の形ができる。
食品を販売する自販機のニーズが高まる中、メーカーも動き出しています。
富士電機の自販機技術部、中山正樹担当部長。
こちらが開発したマルチ君です。
よく見るとドレッシングに瓶詰め、形もサイズも違う商品が並びます。
中を覗くと…
このようなラック(棚)になっている。
この棚を外して大きな商品を装填する。
非常に簡単にできる構造。
棚を付け外しするだけで商品の収納スペースの大きさを変更が可能できるのが特徴。
しかし、ナゼ変更が必要なのでしょうか?
実際にマルチ君を導入した企業に聞いてみると…
スキマデパートの横山由理さん。
皆さん、変わっていくことに反応がいい。
同じ商品をずっと売っていても飽きられる。
その場ですぐに対応できるのはメリット。
コロナ禍がビジネスチャンスに繋がっている。
裾野を広げる意味でもお客様のニーズにあった自販機を開発したい。