最近ますます深刻になっているセクハラやパワハラなどのハラスメント被害。
特に職場でのハラスメントは被害を受けた人の尊厳に関わるだけでなく会社の生産性にも悪影響を及ぼしかねないため政府も対策に本腰を入れ始めています。
職場でのハラスメントに企業はどのように向き合っていけばいいのでしょうか?

ハラスメント
街で聞きました。
「セクハラやパワハラを受けたことありますか?」

お尻を触られたりとか。

「会社はハラスメント対策を取っている?」
ない。

前の会社にいたときに仕事ができないとプリンターを壊されたりとか

生々しいセクハラやパワハラの声。
実際、全国の労働局に寄せられるパワハラなどいじめや嫌がらせの相談件数は増加の一途をたどっています。

実は企業に対し予防措置義務が課せられているセクハラと違いパワハラには明確に規制する法律はありません。

そこでパワハラ対策の法整備に向けて政府も検討を開始しました。

労使双方の代表者を招きパワハラの防止策などについて議論している厚生労働省の審議会。
しかし…
労働者側は、
あらゆるハラスメントを防止するために実効性のある法的整備を行うべきだ。

使用者側、
業務上必要な指導とパワハラの線引きは困難だ。

法的措置は科すべきではない。

パワハラ防止の重要性では一致しているものの対策のあり方をめぐっては労使の対立が続いています。
厚生労働省は議論を続け、年内にも具体案をまとめたいとしています。

井上由美子氏
ハラスメントへの議論が高まる中、先日出版されたのがこちら。

老舗のスーパーを舞台にハラスメント問題に立ち向かう社員を描いた小説「ハラスメントゲーム」です。
著者の井上由美子さんはドラマ「白い巨塔」や「BG~身辺警護人~」などを手掛けた人気脚本家です。

普段はセンシティブな問題なので口にはできないけれど、ドラマをネタにして「あれは大丈夫だよね」とか語るきっかけになってもらえれば。

小説はドラマ化され現在、テレビ東京系列で放送中。
コンプライアンス室長として本社に戻った主人公はさまざまなハラスメント問題に立ち向かう人物として描かれています。
企業のリスクマネジメント担当者などを取材した井上さんはこんな声を聞いたといいます。
「後輩を育てるときは強いことも言わなければいけない部分があるがパワハラになってしまうので言えない」という声を聞いた。

井上さんはハラスメントを避けようとするあまり職場のコミュニケーションが失われる可能性もあると危惧しています。
ハラスメントだとうるさく言われるなら何も言わないでおこうとなるのが職場にとって一番良くない。

あまり言葉狩りにならないようにコミュニケーションを取っていくことが大事。
