1人1日918g、一体なんの数字か分かりますか?

実は1人あたりのゴミの排出量です。

これを年間にすると335kgにもなります。環境負荷を減らすためにゴミの削減は待ったなしの課題です。今回の白熱ランキングはゴミの削減に成功した街を取材しました。

白熱ランキング
都内にあるゴミの処理施設「プラスチック資源化センター」。

お弁当の容器や食品のパッケージ。


コロナで在宅時間が増え、家庭ごみが1.3倍に増えたという調査もあります。

プラスチック資源化センター 委託業務責任者、城定聖巳さん。
ごみの量はすごく変化があった。持ち帰り容器が増えている。

どうしたらごみを減らせるのか?

今回はごみの削減に成功している人口50万人以上の自治体をランキング。


8位~10位
まずは8位から10位。
8位 | 浜松市 | 864.3g/1人1日 |
---|---|---|
9位 | 札幌市 | 866.9g/1人1日 |
10位 | 相模原市 | 868.4g/1人1日 |

浜松市
8位の浜松市はウナギの産地として有名な静岡県の西部に位置する街です。

どのようにごみを減らしているのでしょうか。

浜松市ごみ減量推進課の宮本健一郎さん。
生ごみや食品ロスを削減することに力を入れている。

日本の食品ロスは年間600万トン。そのおよそ半分が家庭で廃棄されています。

実は食品ロスの中で最も多いのが野菜などの食べられる部分まで捨てる過剰除去です。

そこで浜松市は食材を無駄なく使う調理法の提案をスタート。

レシピの作成に携わった料理研究家の杉田久子さんにいくつか教えてもらいました。

まず柿の皮は…

天ぷらにすることでふっくらジューシーに。

硬いブロッコリーの茎は電子レンジで加熱するだけで柔らかくなります。

そしてみそとマヨネーズで味付けしたあえ物に。

みんなが良いことを学べば食品ロスは少なくなる。

4位~7位
続いて4位から7位。
4位 | 埼玉・川口市 | 827.2g/1人1日 |
---|---|---|
5位 | 京都市 | 836.7g/1人1日 |
6位 | 横浜市 | 839.3g/1人1日 |
7位 | 広島市 | 852.6g/1人1日 |

京都市
5位は京都市です。

緊急事態宣言の解除後、観光客が戻りつつある京都では飲食店やホテルなど家庭以外から出る事業ごみが全体のおよそ半分を占めるほど観光都市ならではの課題が。

そこで食品ロスの削減に取り組む飲食店などに認定証を発行する制度を始めました。

京都市資源循環推進課の福山知博さん。
店から出る事業ごみだけでなく、利用する市民の意識改革も狙っている。

意識が高まることで家庭での食品ロスの削減にもつながる。

現在、認定された店舗はおよそ1,700店舗。

どんな取り組みをしているのでしょうか?
去年、認定を受けた日本料理店「京料理 ほうざん」を訪ねると…

ニンジンの皮を切って、白菜で巻いて鍋の具材に。彩りも鮮やかです。

そして剥いたカブの皮は漬物に。

干しているのは出汁を取った後の昆布ですが、湯豆腐の鍋に敷いて再利用。

こうした取り組みにより、この店で1日に出るごみは三角コーナーの半分ほどです。

そしてこちらは市から提供された専用の容器。食べ残した料理を持ち帰ってもらうのが狙いです。

お客様は…
店が推奨してくれると持ち帰りを頼みやすい。

京都市のごみはピーク時のおよそ半分に削減されました。

1位~3位
いよいよベスト3。
1位 | 東京・八王子市 | 770.1g/1人1日 |
---|---|---|
2位 | 愛媛・松山市 | 773.1g/1人1日 |
3位 | 川崎市 | 804.2g/1人1日 |

東京・八王子市
1位は3年連続トップの八王子市です。
東京のベッドタウンとして住宅地が多い八王子市は家庭から出るごみが全体のおよそ8割以上。

およそ25年前、八王子では埋め立て処分場がいっぱいになるほどごみが多かったのです。

新たな処分場に運ぶことにしたものの、そこも残り半分ほどに。

八王子市ごみ減量対策課の真辺薫課長。
新しい処分場を建設することが困難だったので埋め立てる物を少なくしようと。

そこで市がとった策はごみ袋の有料化です。容量によって1枚9円から75円まで4種類。

当初、有料化に反発があったものの市民の意識も変化。ごみの24%削減に成功しました。

住民は…
とにかく物を増やさないように、買いすぎないように心掛けている。

さらにごみを焼却した灰のリサイクル工場「東京たまエコセメント化施設」も建設し、灰をコンクリートの材料として利用。


点字ブロックや道路の縁石などに活用しています。

その結果、なんと埋め立てが必要なごみはゼロに。

東京たま広域資源循環組合の園田茂樹参事。
資源循環型の社会を目指す。今後も引き続き続けることが必要。

自治体によるごみ削減の挑戦は続きます。