アパレル業界では秋冬物の商戦が本格化していますが、ファストファッションのGUは9月12日に秋冬の主力商品の価格を据え置くと発表しました。円安や原材料の高騰などで値上げが相次ぐ中、その狙いはどこにあるのでしょうか。
衣料品秋冬商戦GU!"着回し"と価格維持
GUが開いた秋冬向けの新商品の発表会。
ジーユー
柚木治社長

ファッションに挑戦しやすい価格で商品を提供することがジーユーに求められる使命と考え、主力商品の価格を据え置く。
打ち出したのは低価格の維持です。
田中瞳キャスター

Tシャツや保温性のあるインナー、レギンスパンツ、どれもGUの主力商品で990円ですが、この秋冬も値上げはしないということです。
定番となっているシャツやジーンズなども2,000~3,000円以内に抑えます。
田中瞳キャスター
価格を据え置くための工夫は?

ジーユー
柚木治社長

バラバラの生地でつくっていたものを共通化。まとめて調達するとコストが抑えられる。
売れ行きによって素材をいろいろな商品に使い分けられる。
カーディガンやセーターで使用する糸を共通化したほか、商品の数を絞り込むことでコストを削減したということです。
価格を据え置いた狙いはどこにあるのでしょうか。
ジーユー
柚木治社長

景気が良くて物価が上がるというより、「コストアップインフレ」だと思うのでお客様の財布のひもは固い。
お客様がいま求めているのは価格と着回し。
相次ぐ値上げによる消費者の節約志向に対応し、着回しできる低価格の商品を展開して売上アップにつなげたいとしています。
衣料品秋冬商戦で百貨店!コートなど1万円台前半
物価が上昇するなか買い控えているものについて街で聞くと…
番組スタッフ
買い控えているものは?

女性

服。
電気・ガス・水道、全て上がっているので服は買うのも控えようかな。
男性

会社にあまり行っていないので服はいいかなと。
8月に公表された調査では物価の上昇を受けて4割以上の人が医療や化粧品の費用を抑えたと答えています。
節約志向に対応した商品は百貨店でも。
髙島屋が先週から販売しているコート。
宮崎文子記者

暖かいし、肌触りがとってもいいですね。
価格を1万円台前半に抑えたプライベートブランドの商品です。
髙島屋
クロスメディア事業部
長井文典さん

17種類あって価格は1万2,980円。
目標売上比+20%で推移している。好評。
こちらのコートはネットやカタログで主に販売することで人件費や固定費を削減。さらに生地を1年以上前に仕入れているため円安の影響を受けず、抑えた価格を設定できたといいます。
ほかのメーカーが値上げを発表する中、あえて手頃な価格を打ち出した髙島屋。
売り上げの好調が伝えられる百貨店業界ですが、こうした一般の衣料品はコロナ前の水準に戻っていないという事情がありました。
髙島屋
クロスメディア事業部
長井文典さん

百貨店の質、素材やデザイン、ディテールにこだわったのが特徴。
この2~3年買い控えていたコートに商機がある。