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[WBS][白熱!ランキング]円安も追い風に…輸出拡大へ!"日本茶"の新戦略

2022年7月15日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

日本茶の葉っぱ、国内市場は縮小が続く日本茶ですが、和食ブームや健康志向の高まりで海外でも人気は拡大しています。円安も追い風に輸出拡大に挑む全国の生産地の新たな戦略を取材しました。

輸出拡大へ!"日本茶"の新戦略

成田空港で外国人に聞きました。日本茶は好きですか?

カナダ出身

お茶は健康に良い。

インドネシア出身

おいしいから週に1回は飲む。

日本茶の輸出額は去年過去最高を記録。200億円も突破し十年間でおよそ4倍に。

そこで今回は海外で人気が続く日本茶の生産量キング。全国の生産地の海外戦略とは…

白熱ランキング

7位~10位

まずは7位から10位。

都道府県別 荒茶生産量
7位奈良県1,490トン
8位佐賀県1,140トン
9位熊本県1,120トン
10位埼玉県754トン
2020年 農林水産省調べ

埼玉県

注目は10位の埼玉県。

都内にあるクラフトビールが人気のレストラン「TOKYO隅田川ブルーイング バルstyle」。飲んでいたのは新作のクラフトビールです。

お客さん

お茶の味がする。

お客さん

おいしい。

実はこのビール、埼玉県の狭山茶がブレンドされています。

クラフトビールにも使われる人気の狭山茶。味や香りにはちょっとした秘密が。比較的寒い地域で栽培されるため葉に厚みがあり味が濃いお茶ができます。さらに高温の火で茶葉を乾燥させる狭山火入れといわれる伝統の製法で強い香りを生み出します。

そんな狭山茶の輸出量を2024年度に7倍にする計画が。その理由は…

埼玉県 農業ビジネス支援課
新槙実広さん

国内リーフ茶の消費量が減少し、産地の状況は年々厳しくなっている。

そうした中、地元のNPO法人がある取り組み始めています。やって来たのは軽井沢にあるフレンチレストラン「無彩庵 池田」。

NPO法人 埼玉農業おうえんしたい
梶島邦江代表

香りが今年はさらに一段と良い。

実は狭山茶をフランス料理の食材として輸出しようとしているのです。

その使い方は、狭山茶の中に入れたのはチーズ。弱火で少し加熱すると魚料理に合うソースが完成しました。さらにこんな使い方も、お茶の葉をお酢につけたピクルスです。こうして狭山茶を使ったフランス料理のレシピを作り現地のレストランに売り込む計画。

NPO法人 埼玉農業おうえんしたい
梶島邦江代表

すごく面白い。
おいしいと思いました。

4位~6位

続いて4位から6位。

都道府県別 荒茶生産量
4位宮崎県3,060トン
5位京都府2,360トン
6位福岡県1,600トン
2020年 農林水産省調べ

京都府

注目は5位の京都府。京都のお茶といえば高級ブランドとして有名な宇治茶です。味の秘密は覆下栽培と呼ばれる独特の方法。日光を直接当てないことで色が濃く甘いお茶ができるといいます。

京都府も輸出に力を入れ、輸出額を2024年度に2倍にする目標です。しかし…

京都府農林水産部農産課
瀬戸谷隆治参事

国内で宇治茶といったらブランドとして名が通っているが海外ではまだまだ。
PRしていかないといけない。

宇治茶を海外に広めようと地元の信用金庫も後押しします。運び込まれたのは宇治茶を使ったさまざまな商品。一体何をするのでしょうか。

京都中央信用金庫の越境ECを担当
王超さん

みなさん、こんにちは。

始まったのは中国人向けのライブコマースです。巨大な中国市場を狙いお茶や宇治茶を使ったお菓子などを積極的に売り込みます。するとコメント欄には「おいしそう」「食べてみたい」といった反応も。

京都中央信用金庫
国際営業課
山下洋平課長

海外側のニーズは円安で高まっているのと思うのでECを通じて輸出事業に貢献していきたい。

1位~3位

いよいよトップ3。

都道府県別 荒茶生産量
1位静岡県25,200トン
2位鹿児島県23,900トン
3位三重県5,080トン
2020年 農林水産省調べ

静岡県

1位に輝いたんは静岡県。

いまあるお茶が海外で人気を集めています。それが無農薬のオーガニック抹茶です。

杉本製茶

有機の抹茶をつくるための工場を新たにつくって何とか生産量をアップしているところ。

いま日本茶の中でもオーガニック抹茶の輸出が拡大しています。静岡県はこの人気を追い風に輸出額を2025年に58億円に増やす計画。そのためさまざまな研究開発が進められています。

この日、行われていたのはお茶のブレンド。

茶師
髙橋嘉伸さん

海外の方はお茶の青さや苦さが苦手。
お茶に甘さを付けられるように味わいを作っている。

複数のお茶を混ぜることでオーガニック特有の自然の味を生かしつつ、外国人が好む味を作ろうというのです。

静岡オーガニック抹茶
杉谷道也代表

オーガニックの抹茶を作れば世界の市場で大きなアドバンテージを持つので。
これからの市場拡大が見込めるのではないか。

全国で輸出拡大の取り組みが進む日本茶。海外で広がりを見せそうです。

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