アメリカ第一主義を強調するトランプ大統領は経済と雇用に打撃を与えるとして地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」からの脱退を発表しましたが、そのトランプ大統領と対立しているのが元副大統領のアル・ゴア氏です。
11月3日、東京国際映画祭で上映されたドキュメンタリー映画「不都合な真実2」でも地球温暖化に警鐘を鳴らしているゴア氏に話を聞きました。
アル・ゴア元副大統領
大統領選で繰り返し地球温暖化を否定したトランプ大統領。
公約通り、2017年6月には地球温暖化防止の国際的な枠組み「パリ協定」からの脱退を正式に表明しました。
この問題に長年取り組んできたゴア元副大統領。その時の心境は?
最初は心配になった。これを理由に他の国も脱退するのではと。うれしいことに翌日には他の国々は「パリ協定を続ける」と表明してくれた。
規約により実際にパリ協定を脱退するのは次のアメリカ大統領選(2020年11月)の翌日。トランプ大統領の考えとアメリカ合衆国はきちんと区別して考える必要がある。
「トランプ大統領は人気を全うできるか?」
わからない。こればかりは。印象としてトランプ大統領に厳しい状況になるだろう。
パリ協定の実現に向け難色を示したインド政府などの説得に奔走したゴア氏。
世界がまとまった矢先のトランプ大統領の誕生でした。
温暖化防止の活動は希望と落胆の繰り返しだとゴア氏はいいます。
「今置かれている状況は希望と落胆のどちら?」
希望ですね。私はいつも希望を持っている。特に今は解決策がある。例えばアメリカでは太陽光発電の雇用は他産業に比べて17倍の速度で増えている。今や経済成長は再生可能エネルギーの革新が担っている。そのインパクトは産業革命に匹敵する勢いで世界中に広がっている。
環境への配慮と経済成長が両立できるようになってきた時代、投資の世界でも環境や地域社会への企業の貢献を重視する「ESG投資」が広がりました。
ESG投資
「ESG投資についてはどう見ている?」
多くの投資家がESGを投資の際に考慮に入れ始めているのはとても重要な傾向。投資家たちが率先して世界の経済を環境負荷や汚染の少ない方向に導き、、その結果として多くのリターンを得るという方向に動いている。
ESG投資のことを聞いてくれて良かった。とても大事なことだ。
インタビューの後もESG投資の重要性について繰り替え話をしていられたということです。
世界最大の年金基金である日本のGPIFはこのESG投資を積極的に取り入れていて、その対象を環境分野に絞って国内だけではなく世界に広げると11月1日に発表しています。
経済活動と環境保護は相反するものではなくなってきています。そして環境保護につながる経済活動を投資家が後押しできる環境もできています。