いま多くの企業が副業に関心を寄せています。その理由は、社員の要望だけではなく企業側のメリットも大きいようです。
Golden Rabbit Beer
[blogcard url="https://www.goldenrabbitbeer.com/"]
ロート製薬に勤める市橋健さん(38歳)。
食品製造の品質管理を担当しています。
午後3時半、早くも片付けを始めました。
お先に失礼させていただきます。
向かった先はクラフトビールの専門店「ゴールデンラビットビール」。
中では市橋さん、外国人相手にビールを売っていました。
お薦めはどれ?
どれもお薦めなんだけど。
実は市橋さん、副業でビールの販売店オーナーをしています。
3年前に開業したゴールデンラビットビール。
原料を地元の奈良県産にこだわっているのが特徴です。
中でも米を使ったビールが人気だといいます。
分かる。後味のお米が分かりますね。最初のひとくち目はとにかく爽やかですね。飲みやすい。
2階ではそのビールが飲めるレストランも経営しています。
本業で働く時間以外を使っての副業のため金曜から日曜まで3日間のみの営業です。
地元奈良県にクラフトビールがないと気付いた。
ビールなら今の仕事のものづくりに近い。ひょっとしたらできるんじゃないかと。
ここが醸造室になります。
最近、およそ3,000万円を投資し、醸造タンクを設置。本格的にビール造りができる体制を整えました。
今年に入りやっと利益が出始めたという市橋さん。副業にのめり込むワケは…
「楽しい」が根底にある。
ビールで得たことが本業のヒントになるし、本業で得たことがビールのヒントになる。
ロート製薬株式会社
[blogcard url="https://www.rohto.co.jp/"]
ロート製薬が社員の要望に応え副業を解禁したのは2016年。
対象は社会人経験3年目以降の社員で、月に数件の相談があります。
いまでは社員教育の効果が大きいといいます。
ロート製薬の人事総務部、山本明子副部長、
会社で用意されたもので学んでも限度がある。
自分の内発的動機で動く方が成長の度合いは大きい。
そういう狙いもあり、やりたいことを止めない。できるだけ会社として成長を応援する。
政府も副業に注目しています。生産性の向上につながるとして副業を促す政策を夏にまとめる成長戦略に盛り込む見通しです。
働き方改革EXPO
[blogcard url="https://www.office-expo.jp/"]
企業の人事担当者が多く集まるイベントでも副業に関心が集まっていました。
ただ、話を聞いてみると…
精密機械業の男性、
副業は基本的に認めてない。
サービス業の男性、
副業は認めてない。
商社の男性、
副業は認めてないわけではないが、社員が自らやろうという環境にはなっていない。
聞いた企業のほとんどが実際の副業解禁には消極的でした。
国の調査では副業を解禁することで過重労働にならないか懸念する企業が8割を超えています。
株式会社スープストックトーキョー
[blogcard url="https://www.soup-stock-tokyo.com/"]
労働条件を変えてでも副業を推進しているのがスープストックトーキョーです。
店長の椎名匠さん(30歳)。
店では朝9時から夜11時までの仕事を5~6人のスタッフと共に回しています。
サンドイッチ好きが講じて去年、自作のサンドイッチのケータリングを副業で始めました。
椎名さんを後押ししているのがスープストックトーキョーの制度。去年、副業を解禁した際に給料は据え置きのまま、休日を年間で18日増やしました。
本業の勤務時間を削ってまで副業を推進する狙いは?
社員が能動的に新たな事業を生み出せるようになることです。
スープストックトーキョーの遠藤正道会長、
ただ座って指示待ちではこれからの時代、本当にきついと思う。
小さくてもいいから自分が「仕掛ける側」に回れる癖をつける。
どんどん小さなことを試して仕掛けた方がいい。
それには副業という制度は都合がいいと思う。