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[WBS]国内感染1万人超!"欠勤者急増"そのとき企業は[GMOインターネット株式会社]

2022年1月12日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

もし1割の従業員が仕事を休んだら事業を継続できるのでしょうか。

1月12日に全国で確認された新型コロナウイルスの新規感染者はおよそ4ヵ月ぶりに1万人を超えて、さまざまな業界で働き手の不足が懸念されています。

海外では航空便や地下鉄の運休など社会インフラにも影響が出ていて、日本も企業も対策を迫られています。

コロナ新規感染者1万人超!

欠勤者増加 どう備える?

IT大手のGMOインターネットグループ。1月12日に幹部が集まり、ある会議を開きました。

GMOインターネットの西山裕之副社長。

感染状況はどんな感じか?

社内で感染者が出始めていて。

沖縄に事業所があるので今、国内で感染者が2人いる。

年末年始を超えて感染する人が出始めた。

社内での感染者の状況を確認。国内でさらに感染が拡大した時も事業を継続するため社内体制について話し合いました。

懸念しているのは欠勤者の増加です。

東京都の小池知事。

目には見えないが首都直下地震と同じではないか。

優先業務を洗い出し、1割を超える従業員の欠勤を前提に応援要員の手配方法、具体的な段取りなど至急点検をお願いしたい。

東京都の小池知事は1月12日に企業側に従業員が欠勤した場合に備えた事業継続計画の点検や策定を求めました。

このまま感染が拡大すれば感染者や濃厚接触者が増え、それぞれの会社で従業員の1割以上が欠勤することも想定すべきと警鐘を鳴らしたのです。

こうした状況を受け、会議を開いたGMO。

われわれはインターネットサービス。24時間、365日、止めることができない。

仮に欠勤者が1~2割出ても、しっかり回る状態を確保できる。

GMOでは他の会社に先駆ける形で2年前から在宅勤務を全面的に導入。感染状況に応じた独自の基準も策定しました。

現在、都内の拠点などはレベル1で出社率は6割程度。

さらに感染状況が悪化した場合は原則全員在宅とし、出社する時は上司の許可が必要とすることも検討しています。

また複数人のチームで業務にあたることなどで欠勤者が出てもチーム内でカバーする体制を整えているといいます。

GMOインターネットグループの熊谷正寿代表。

今後インフルエンザのように付き合うウイルスになると思う。

それを前提に企業経営を考えるとオミクロン株が広がったからといってガタガタしてはいけない。

確立したBCP(事業継続計画)のシステムを淡々と粛々と稼働させていけばいい。

社会インフラに影響は?

欠勤する社員が急増した時、社会インフラを担う企業はどう対処するのでしょうか。

JR東日本は従業員の感染人数に応じて運行率を下げます。東京メトロでは感染者が多く出た場合、緊急事態用の特別なダイヤで5割程度に運行本数を減らすとしています。

また全日空では一部の空港でスタッフが不足した場合、他の空港から応援を出して対応するとしています。

ただ、全ての企業が事業を継続する計画を立てられるわけではありません。

角谷暁子キャスター。

スーパーでは従業員が感染した場合、どういった対応を想定しているのかお話を伺います。

都内を中心に6店舗、従業員およそ200人を抱えるスーパー「アキダイ」。

アキダイの秋葉弘道社長。

ありえないでしょう。

そもそも1割以上の従業員がいなくなって大丈夫であれば、その状態で営業している。

店で安くていい物を販売するためには5人でやる仕事を3人でやろうと。

正直1人いないことでみんな大変になる。

さらにスーパーと一言でいっても仕入れ業務やレジ打ち、商品のパック詰めなど従業員の役割はさまざまで感染者が多く出た場合は苦渋の決断をしなければいけないといいます。

可能性から言うと一店舗の人員を減らすというのは難しい。

思い切って一店舗丸々休んで5店舗で運営するしかないかな。

その地域のお客様がいる。不便をかけるのでなるべくやりたくはない。

「隔離期間短縮」求める声も

1月12日に新たに東京都で2,198人、大阪府で1,711人の感染者が確認され、全国で確認された新規感染者は1万3,000人を超えました。1万人を上回るのはおよそ4ヵ月ぶりです。

こうした状況を受けて後藤厚生労働大臣は医療体制の点検・強化の方針を打ち出しました。

健康観察のために都道府県等が設置するフォローアップセンターを強化して、自宅療養者が急増しても24時間対応できるようにするとともに治療が必要な時に医療機関としっかり連携が行えるようにする。

自宅療養者の健康観察を実施する医療機関の数を1万2,000ヵ所から1万6,000ヵ所に増やすとともに血液中の酸素飽和度を測るパルスオキシメーターの必要台数確保など自宅療養の支援体制の強化を打ち出しました。

一方で見直しを求める声が高まっているのが…

日本医師会の中川会長。

感染者と濃厚接触者のあり方の見直しは柔軟に刻々と変化していくべきだ。

全国知事会の平井鳥取県知事。

14日間、濃厚接触者扱いになるとBCP(事業継続計画)にも関わってくる。

人々の生活を支える医療や福祉などのエッセンシャルワーカーが働けなくなれば社会活動に大きな影響があるとして現在、濃厚接触者に求めている14日間の隔離期間を短縮すべきとの声も上がっています。

アメリカ 物が届かず地下鉄運休も

欧米ではすでに隔離機関が短縮されています。

アメリカとイギリスでは先月、新型コロナに感染した人の隔離期間を10日からそれぞれお5日間、7日間に短縮。濃厚接触者についてはワクチン接種が完了している場合、隔離不要としています。

それでも人手不足の影響が市民生活を直撃しています。

アメリカ・サウスカロライナ州のスーパーマーケットの様子。こちらの棚も、こちらの棚にもほとんど商品が置かれていません。

スーパーやサプライチェーン、トラック運転手など感染者の発生で人手不足に陥り、物が届かない事態が発生しています。

ニューヨークでは清掃員や消防局の職員の欠勤が相次いでいるほか、地下鉄では職員の病欠の影響で3つの路線が運休に。

イギリス・ロンドンでも清掃員の感染が相次ぎ、ごみの回収が数日間止まるなど市民生活に深刻な影響が出ています。

ジョンソン首相は隔離期間をさらに5日に短縮することを検討していると明らかにしました。

こうした事態を避けるため日本はどう対応するのでしょうか。

「療養期間を短くしないと社会活動が維持できないのでは?」

感染状況がどのくらい拡大してきて、社会を維持することができない事態になるか、今後条件の変化を見ながら考えていくべき課題。

検討課題という認識は持っているが結論を持っているわけではない

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