東京都内のとあるお宅。
おやつの時間に出てきたのは
プッチンできるかな?
プッチンプリン。
プリンがするっと抜ける気持ち良さがなんとも言えない。
発売から44年、累計51億個を売り上げギネスにも認定されたプッチンプリンを分析します。
江崎グリコ株式会社
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スタッフが訪ねたの東京グリコ乳業株式会社。
こちらでは多い日で15万個ものプッチンプリンを生産しています。
製造ライン
カップにプリンを詰める製造ラインでは、
(1)液状のプリンを容器に注ぎます
(2)そこにカラメルを勢い良く注入
プリンの下にあるはずのカラメルをなぜ後から入れるのか?
大束伸一さんによると
原料の重さの関係。プリンよりカラメルの方が重いので注ぐと分離する。
先にカラメルを入れると量の多いプリンの勢いで混ざり合ってしまうといいます。
あの親しみ深い味の決め手は「バター」と「練乳」。秘伝の配合でコクと甘さを整えます。
(3)それを冷蔵庫で冷やし固めるとプルップルのプリンが出来上がります。
プッチンプリンの開発秘話
プッチンプリンが誕生した1970年代は、ほとんどの家庭に冷蔵庫が普及。
江崎グリコ株式会社の開発者は新時代の主力商品として社長にプリンを提案しました。
ダメだ、ヨーグルトを売れ!
この時すでにライバルメーカーの森永製菓株式会社が「プリン」を発売。後発では勝算がないと見ていました。
プッチンプリン担当の有馬卓さんは
「同じものを出す何の意味があるのか」と言われた。
それでもプリンにこだわった開発者は他に類を見ないプリンを追い求めました。
そんなある日、目についたのは町の洋菓子店。アイスピックでゼリーの容器に穴を開ける作業を見て閃きました。
ツマミを折って穴を開けるとするりと落ちて皿に盛りつけられるプリンです。
業界初の「プッチン容器」でプリンの販売にこぎつけた。
商品名の変更
しかし「グリコプリン」は思うように売れない。
「プッチンしてね」とパッケージに書いているだけで、楽しさや開発者の想いはお客様に伝わらなかった。
そこで名前を「プッチンプリン」に変更。爆発的ヒットとなりました。
時代の変化
ところが、
80年代は流通の変化が起きた。スーパーが台頭し、コンビニも出てくるなかで1個売りで勝負していたプッチンプリンは客に合わせた商品になっていない。売り上げが落ちてきた。
そこでスーパーでは家族向けの3個パックを、コンビニでは大人向けのビッグサイズを発売。
これが客層の拡大につがなり、売り上げは急成長しました。
時代の変化をとらえ、商品を多様化させた。
最近は通常の約7倍の特大サイズの「手づくりプッチンプリン」や「サマーレモン」など大胆な味も打ち出しているプッチンプリン。
美味しさと楽しさを追求するプッチンワールドはこれからも続きます。