クルーズ船が日本に寄港する数は年々増えています。5年連続で過去最高を更新しています。
こうした中、いま海のない内陸の自治体がクルーズ船の誘致に力を入れ始めています。一体どういうことなのか取材しました。
岐阜県
[blogcard url="https://www.pref.gifu.lg.jp/"]
石川県、金沢港。
港に入ってきたのは豪華客船の「ダイヤモンド・プリンセス号」です。
アメリカの大手クルーズ会社が運行する客船で、船内にはプールや劇場などが設置され優雅な船旅を楽しむことができます。
この日は欧米などから1,000人以上の乗船客を乗せていました。
「日本を楽しんでいるか?」
オーストラリアからの訪日客は、
もちろん、楽しい。
侍や歴史的な場所に行く。
アメリカからの訪日客、
兼六園に行く。
日本の歴史はとても興味深い。文化も興味深い。
人気なのは兼六園など県内にある日本の歴史が楽しめるツアーです。
その中でも人気だというのがこちらのツアー。
ついて行くと、金沢港から遠く離れ向かった先は隣の岐阜県。
港からおよそ1時間、乗船客がやって来たのは世界遺産の白川郷です。
海のない岐阜県がクルーズ客を誘致するために作ったツアーです。
白川郷は日本の原風景が楽しめると、この日も100人を超えるお客様がツアーに参加しました。
オーストラリアからの訪日客は、
障子がとても興味深かった。西洋にはない明るい窓で面白かった。
アメリカからの訪日客は、
白川郷の四季がきれいだから来たかった。まず夏に来て次は秋・冬に来たい。
岐阜県には海だけではなく空港もないため、石川県と協力しクルーズ船を誘致することが重要な訪日外国人の誘致策になります。
岐阜県の飛騨県事務所、齋藤由宏さん、
将来的には一度来たお客様が飛騨高原や下呂温泉へ行こうと新しい岐阜の楽しみ方を求めて来てもらうことを期待してPRしている。
現在、海のない自治体がクルーズ客の誘致に力を入れ始めています。
全国クルーズ活性化会議
こちらは国土交通省の全国クルーズ活性化会議。
4年前に岐阜県が海のない県として初めて参加すると、奈良県や栃木県といった内陸の自治体が続々と参加し始めています。
しかし、課題もあります。
この日、自治体がクルーズ会社へPRする機会がありました。
岐阜県インバウンド推進監、加藤英彦さん、
きょうはひとつ提案がある。
高山に1泊する企画をしてもらいたい。
クルーズ客は船に宿泊するため観光地を訪れても日帰りとなり、消費が限定されてしまいます。
そのため岐阜県では宿泊してもらえるツアーの実施を売り込んでいるのです。
MSCクルーズの日本クルーズ運営責任者、ルッソ・マッシモさん、
岐阜には素晴らしい体験ができるところがたくさんある。
お客様を連れていく方法を模索したい。
岐阜県の河合孝憲副知事、
岐阜で1泊して帰ってもらう。
そのような宿泊旅行につなげることで経済効果が大きくなる。そこを目指す。