アメリカでゲームソフトなどを販売している「GameStop(ゲームストップ)」という企業です。
その株価が先月に入り20倍ほどに膨らんだ後、現在はその3分の1ほどに落ち込むなど異常な乱高下をして株式市場に混乱をもたらしています。
アメリカ議会も調査に乗り出そうとしているこの問題ですが、背景には個人投資家とヘッジファンドによる攻防がありました。
GameStop
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アメリカ・カリフォルニア州のロサンゼルス。
ここに実際にゲームストップの株を購入した個人投資家がいます。19歳の大学生、ギャビン・メイさんです。
去年の秋、個人投資家向けのオンライン証券「ロビンフッド」で株の取引を始めました。
新型コロナの影響で若い投資家が増えた。
みんな退屈していたし、お金も稼ぎたかった。
友人の勧めで株情報が集まるネットの掲示板「reddit」を訪れたメイさん。そこで見つけたのは、
アベンジャーズよ、集まれ。
人気のヒーロー映画の台詞を引用したこちらの投稿、そきにゲームストップの株についてヘッジファンドなどの空売りが多く、株価が下がりすぎていること、個人投資家が結託して株を買えば株価を大きく上昇させるチャンスがあることなどが書かれていました。
素晴らしい取引だと思った。私は株取引での勝利に飢えていた。
投稿を読んだメイさんはロビンフッドを通じて1月20日までにおよそ5,000ドル、日本円で52万円ほどでゲームストップ株を購入。
その後、個人投資家たちも次々と株を買い増し、株価は1週間で20倍以上に高騰。メイさんの持ち分は1,200万円ほどまでに膨らみました。
一方で割りを食ったのがヘッジファンドです。
ヘッジファンドは大量の空売りを仕掛け株価の下落を狙っていましたが、この株価の急騰によって巨額の損失を被ったのです。
ただ、こうしたヘッジファンドの敗北こそ個人投資家たちの狙いだったとメイさんは語ります。
ヘッジファンドの空売りは行き過ぎていてほとんど違法だと感じた。
「なぜそんなことが起きるんだ?」と、個人投資家たちが結託した結果だ。
しかし、ゲームストップの株価はその後急落。売買が急増したことによりオンライン証券「ロビンフッド」が一部の株の取引を制限したことがきっかけでした。
個人投資家とヘッジファンドの攻防をめぐり混乱する株式市場。
アメリカ政府は…
サキ大統領補佐官、
市場の乱高下の問題については議会と協力して掘り下げていく。
またイエレン財務長官は早ければ4日にも規制当局幹部らを招集。
ロビンフッドでの取引が投資家保護と公平性、市場の効率性に相反していないかを議論する方針です。