
ゴールデンウィーク中に住まい探しでモデルルームを見てまわっているという方もいらっしゃるかもしれません。いま首都圏の新築マンション価格が高騰しています。昨年度はバブル期の1990年度に記録した6,214円という金額を超えて過去最高の6,360円となりました。バブル期は土地は必ず値上がりするという土地神話を背景にして土地の価格に合わせてマンション価格も上昇していった訳ですが、どうしてそれから30年余り経った今、再びマンション価格が高騰しているのでしょうか。取材してみるとバブル期とは違う意外な理由が見えてきました。
バブル期超 マンション高騰のワケ
東京・江東区亀戸。街のシンボル亀戸天神、庶民的な店が軒を連ねる下町です。
そこに今年1月、25階建ておよそ900戸の大規模マンション「プラウドタワー亀戸クロス」が完成しました。
住んでいるのはどんな人なのでしょうか。
先月上旬に入居した植松さんです。夫の基さんは31歳、健康食品を販売する会社に勤めています。妻の栞さんは29歳です。
番組スタッフ
どの辺に住んでいる?

植松基さん

真ん中ぐらい。向こうの棟の。
購入金額は8,000万円。
今のところ文句のつけようがない。かなり満足している。
部屋を撮影してもらいました。
植松基さん

こちらがリビングとダイニングで合わせて12畳。
間取りは3LDK。広さはおよそ75平方メートル。
廊下が少ない設計のため居住スペースが広く、空調はすべての部屋が365日一定の温度に保たれるシステムで快適に過ごせます。
植松基さん

35年フルローン。固定金利。
地道に返していくのと繰り上げ返済は検討している。
総武線亀戸駅から徒歩2分。
その利便性を求め若い世代で世帯年収1,400万円以上のパワーカップルが多く購入しています。
植松さんに亀戸でお気に入りの場所を案内してもらいました。
植松基さん

昔ながらの飲食店が立ち並ぶところで小さいエリアに小さい店が密集している。
亀戸という街の雰囲気が私たちの家族には合っている。
この下町+駅近が湾岸エリアに次ぐ新築マンションのトレンドだと専門家は指摘します。
不動産経済研究所
松田忠司さん

建築費や資材がここにきて一段と上がっている。
郊外などではそのエリアの相場に見合った価格のマンションを販売するのが難しくなってきている。
もともと人気駅の徒歩圏が主戦場であるが、よりその傾向が強くなってくる。
実際に下町ではマンション開発ラッシュ。
総武線小岩駅の南口には徒歩1分の新築マンションが分譲中。
また北区の十条駅の目の前にも39階建てのタワーマンションの開発が進んでいます。
こういった駅から近く利便性が高い高価格のマンションがマンションの平均価格を押し上げているのです。
一方、こちらは矢吹さん。夫の勇人さんは都内の化学メーカーに勤務しています。
マンション購入を検討中です。
矢吹勇人さん

ゴルフバッグ置かないといけないが今は私の部屋をちょっと圧迫している。
収納が大きくて、たくさん入りそうなのですごくいいなと。
見学したのは3LDK、75平方メートルの部屋。中層階で8,000万円前後です。
収納スペースが広い物件を探していました。
もう一つ、マンション選びで気になる点が…
矢吹勇人さん

便利なところで駅近というところはある程度落ちにくいだろうと。
資産価値というところは大切。
長期的な資産価値も考慮に入れていました。
首都圏の完成から10年経過したマンションの資産価値は年々上昇。2021年は新築時と比べおよそ20%高くなっています。
好立地の物件の資産価値はより高まっているのです。
マンション価格バブル期超えの理由、将来の資産価値の上昇を見越していま購入しておきたいという人の存在もありました。
今後のマンション価格は…
不動産経済研究所
松田忠司さん

下がる要素がない。コスト面でいうと依然として高い状態です。
高額物件の人気が高いので、そういう物件を中心にデベロッパーがどんどん供給していく状況は変わらないので、またさらに上昇することは十分に考えられると思います。